君の願いと ぼくのウソをあわせて
6月の夜 永遠をちかうキスをしよう
仕事の帰り道、スーパーに寄って、トマトを買いました。この時期、トマトが安いので、毎朝1個食べています。冬はリンゴ、夏はトマトです。
買い物を済ませて、駐車場に出ると、東に見える工場の屋根の上に、ぽっかり、というよりは、ドン!という感じで、オレンジ色の月が乗っかっていました。
今日は梅雨の晴れ間。快晴の夕暮れ時は、爽やかな風が流れて、若い稲が波打っていました。紫色の東の空を背景に、オレンジ色の月。中天は青、西の空は淡い黄色。言葉にすると、いくつもの色が重なって景色を作っているような気がしますが、いくつもの色というのはたぶん違っていて、ただひとつの色がこの景色を作っているのだ、という気がしました。
オレンジ色の月を見ていたら、ふと懐かしい曲が頭に浮かびました。
スガシカオの『黄金の月』。
擦り減った男女の関係と、寂しさと、情熱への憧憬と、かすかな希望。そんなイメージの歌です。
一度だけ、名古屋のセンチュリーホールに、コンサートを観に行ったことがあります。もう20年くらい前かな。
20代後半、あまり覚えていないけど、わりとまだ青春してたような気がします。あの頃はスガシカオにハマって、アルバムも何枚か買いました。人生に擦れて、自分が少しずつ汚れていくことに、抵抗しなくなっていった時期。そこに、スガシカオの歌の世界がマッチしたんでしょうか。
あの頃よりずっと汚れてしまった今でも、月を見ていると、この世には、人の手や心で汚されないものもある、と思えて少し嬉しくなります。