子どもの頃、考古学者になって化石を掘り当てたいと思う程度には恐竜が好きでした。
恐竜図鑑を買ってもらい、いろいろな恐竜の名前を覚えたり、恐竜の分類を覚えたりしたものです。学研のひみつシリーズ『恐竜のひみつ』も持っていました。
しかし、ここ数年、NHKラジオ第1の『子ども科学電話相談』などで、恐竜に関する話を聞いていると、私が子どもの頃と比べて、恐竜に関する研究もずいぶん進んでいて、名前や分類、時代や分布も変わってきているらしいです。40年も経てばそうなりますわな。
それで、先日、とあるショッピングセンターへ行ったら、イベントスペース的な場所に、恐竜の動く模型がいくつか置いてありました。全長2~3メートルくらいの、なかなか迫力ある模型です。
アロサウルスやステゴサウルスと共に、アンキロサウルスの模型もありました。アンキロサウルスは、私が子どもの頃、アロサウルスの次に好きだった恐竜で、ゴツゴツした背中や、先の丸い尻尾が特徴です。
それを見て、私はふと違和感を覚えました。
「アンキロサウルスってこんな形だっけ?」
私が子どもの頃に見ていたアンキロサウルスは、もうちょっとトゲトゲしていたような気がしたのです。それに、顔つきも少し違っていたような……足ももうちょっと長くて、膝をついてて……膝?
そこで、自分の勘違いに気がつきました。恐竜が膝をついて歩くはずがありません。その時私がうっすら思い浮かべていたのは、アンキロサウルスではなくて、アンギラスのほうでした。
アンギラスというのは、昔のゴジラシリーズに出てきた怪獣で、たぶんアンキロサウルスがモデルになっています。背中は短いトゲがたくさん生えていて、角と牙も生えています。中に人が入る着ぐるみなので、完全な四足歩行はできず、膝をついて四つん這いで歩く姿がユーモラスでした。
ただ、恐竜のアンキロサウルスも、画像検索すると様々なバージョンがあります。生きた姿そのままで見つかることはないので、骨格から想像するしかありません。研究者によって多少、肉付けに差が出るのでしょう。
ところで、最新の知見では、今現在生息している鳥類は、恐竜の一種ということになっているそうです。昔は恐竜は爬虫類に近いと言われていましたが、鳥のほうがずっと近いそうです。スズメやカラスも恐竜(の一種)だったんですね。
ということで、アンキロサウルスとアンギラスは別物、という話でした。