前回のあらすじ
<中学生の頃の私は、小説版『幻魔大戦』を読んで、「真理」を知ることができれば、人生のあらゆる苦悩から解放されるに違いないと思いました。>
さて今回は、真理を巡る私の考え方の変遷です。
真理を求める私は、知識を集めれば、それをもとに真理を導き出せるのではないか、と考え、ジャンルを問わずいろいろな本を読んで、とにかく何でもかんでも知識を蓄えることに勤しみました。
とはいえ、そこは所詮中学生。自分の興味が及ぶ範囲の本しか読みません。科学、宇宙、古代、魔法、ヨガ、超能力、漫画、いろんなジャンルの本を読みました。
中でも、私が好んで読んだのが、菊地秀行、夢枕獏のジュブナイル作品でした。なんでこれが真理に関係あるのかと思われるかもしれませんが、私にとって、私が面白いと感じるものが、真理への道しるべだったのです。
特に、夢枕獏の作品には仏教に関連するものが題材となっていて、仏教における「悟り」とは何か、というテーマに惹きつけられました。そこで、私の中の「真理」は、「悟り」へとアップデートされました。
そこから、私の興味はより東洋的なものへとシフトしていき、仏教やヨガ、神道などに関する本を読んだりしました。その中で出会った本に、深見青山(現・深見東州)の弟子という人が書いた本がありました。タイトルも著者名も忘れてしまいましたが、作曲で何かの賞を取ったとか、ビートルズについていた天使が私のところに来ましたとか、そんなことが書いてあったと記憶しています。あと、キツネやタヌキが人に憑いて悪さをするとか、魂だけ金星に行って、金星の都市を見たとか、そんなことも書いてあったような気がします。別の本とごっちゃになっている可能性もあります。
この本をきっかけとして、深見青山の本も一冊だけ読んだと思います。これもタイトルは覚えていませんが、良いこと言ってるなと思う部分もありました。ただ、キツネやタヌキの霊の話とか、やっぱりちょっとついていけない部分もあって、それ以上は手を出しませんでした。
次に興味を持ったのは、荒俣宏でした。非常に博学な彼の著作は、知識を集成することで真理に近づけるのではないか、という私の考えを刺激するものでした。その荒俣宏の著作の中で触れられていた、「神智学」というものに興味を惹かれた私は、書店でルドルフ・シュタイナーの本と出合うことになるのでした。