ネタがないわけではないけれど、たとえくだらないネタでも、ひとつの記事に仕上げるにはそれなりの労力を要するので、やる気の出ない今日は自省的な昔話を書きます。
私が初めて、人生における幸福あるいは不幸、心の在り方、などといったものに関心を持つきっかけとなったのは、平井和正著『幻魔大戦』でした。たしか小学6年生だったと思います。
角川のアニメ映画『幻魔大戦』が公開され、それが観たくてたまらなかったのですが、映画を観に行きたいと親に言うことができず、映画を観れないなら原作だ!ということで読み始めたのが小説『幻魔大戦』でした。
初めのほうこそ、SFジュブナイル的な面白さがあったのですが、だんだん話が重苦しくなってきて、途中からは何やらわけのわからない教義じみた内容で埋め尽くされるようになりました。その頃は中学生になっていましたが、最後の20巻までたどり着くころには、すでに読むことが苦行の様相を呈していました。
それでも、幸福とは何か、人生とは、生きる意味とは、といった問題が、思春期を迎えた私の心に刺さったのでしょう。ちょうど私自身が、病気で入院したり、学校に馴染めなかったりしたこともあり、人生における壁のようなものに、初めてぶち当たったことも関係しているでしょう。
『幻魔大戦』の中で、私が最も心惹かれた概念は「真理」でした。
「真理」を知ることができれば、人生のあらゆる問題を解決することができ、どんな苦しみからも解放される、それが「真理」なのだ、という考えを『幻魔大戦』で覚えました。
それ以来、私の関心は「真理」に向かうことになります。