※前回のあらすじ
ハイカラスクエアに現れた、新人オクタリアンの”ハチロウ”は、ブランド企業の御曹司”ケンサキ・ジュン”に目を付けられ、ナワバリバトルでフルボッコにされるかもしれない。
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エピソード_87 「噂の真相」
コンブトラックの中央にそびえる山。その頂上でハチロウを待ち構えるコブと、彼を追い詰めるジュン、そして挟み撃ちを狙って近づくジン。ハチロウは、かろうじて攻撃をかわしつつ、頂上へ追い詰められていく。
ハチロウを追っていたジュンは、彼が頂上付近でふいに姿を消すのを見た。
ジュン「コブ、ヤツがセンプクした。気をつけろ」
しかし、インカムからコブの返事はない。
ジュン「ジン、コブがまたやられたらしい。マジでいくぜ」
ところが、ジンからも返事はなく、代わりに斜面の向こうから舞い上がり、スタート地点へ戻っていく光が見えた。
ジュン「チッ……まさかな」
ジュンからは、二人がやられた場面は見えていない。二人ともハチロウにやられたという確証はない。かすかに湧いた不安を打ち消しながら、頂上へ登るコースを変え、斜面を横から回り込む。
その直後、頂上あたりから、山の中央をはさんで立つ塀越しに、オーバーフロッシャーのドロップが飛んできた。あやうく被弾しかけたジュンだが、間一髪でかわし、山を下りて頂上からの死角に回り込んだ。
インカムからコブの声がした。
コブ「すまないジュン、またヤツだ。後ろからやられた」
続いてジンの声。
ジン「あいつ”イカニンジャ”をつけてる。センプクに気付けなかった」
ジュン「あー、言い訳は後で聞く。ヤツはオレが仕留める」
マップを開いて確認すると、中央の山から左辺に向かってインクが拡がっていくのが見える。塗りの拡がり方から見て、この付近にいるのがオーバーフロッシャー、すなわちハチロウだと予測した。
立て続けに2人がやられて、一旦は塗りの勢いが止まったものの、すぐに回復しつつある。前線はジュンのチームが押している。自陣の塗りを利用して、イカセンプクで高速移動するジュン。ハチロウは左辺の通路から、自陣に入り込もうとしているようだ。
オーバーフロッシャーの射線を避けて、通路の塀から出てきたところを迎え撃つジュン。塀の向こう側から、黄色いドロップが転がってくる。すぐにハチロウが姿を見せるはずだ。
次の瞬間、上からドロップが降ってきて、通路の壁に反射してジュンに襲い掛かってきた。驚異的な反射神経でそれをかわし、塀の死角に入り込む。すると、頭上を飛び越えて、中央の山の斜面に着地するタコ形態のハチロウが見えた。
ジュン「ふざけやがって!」
すぐさまジュンも斜面にとりついてハチロウを追う。山の頂上付近はすでにこちらのインクで塗り固められている。ハチロウは、そこにインクで道を作りながら進んでいく。ジュンは、ハチロウの右側に回り込むと、瞬時にセンプクを解除してマニューバーのインクを叩き込んだ。
ジュン「やった!」
しかし、手ごたえはない。一瞬の躊躇の後、ジュンの左側にハチロウが現れ、ドロップを放ってきた。ジュンはそれもかわし、マニューバーで応戦しようと構えた時には、すでにハチロウの姿はなかった。
ジュン「後ろか!」
振り向こうとしたジュンに、右側からドロップが襲い掛かってきた。それが、ジュンの死角から放たれ、塀に反射したドロップだと気づいた時、ジュンの目に映ったのは、自分を取り囲むように、地面に描かれた黄色い三角形だった。
ギリギリで初弾を避けたジュンだったが、敵インクに足を取られた瞬間、次弾を見る間もなく、目の前がインクで染まっていた。体が溶ける感覚。ついで、浮遊感。
ジュン「対面でオフロに負けた?……あり得ねぇ……」
ジュンのチームはナワバリバトルに勝利した。しかし、ジュンの中にあったのは、まぎれもない敗北感だった。
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謎の強さを見せるハチロウ、一体何者なのか?
次回は未定!
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