理性の罠にはまるな
君はヤバい〇〇なのであーる!
一昨日は、寝る前に散々な目に遭ったが、その埋め合わせなのか何なのか、翌朝、目覚める前に見た夢は、なかなか良いものだった。キモいおっさんの夢と笑ってくれて構わんよ。
その夢というのが、つまり、あの上坂すみれ、である。
おっさん世代に人気が高いと言われる女性声優アーティスト、である。
昨年末のFNS歌謡祭でド緊張していた上坂すみれ、である。
その上坂すみれが、私の隣を一緒に歩いていたのだ。しかも、そこそこの密着度で、である。
彼女の身長は知らないけれど、だいたい私より頭半分くらい低かった。
場所は、なぜか私が小学生の頃に毎日歩いていた通学路だ。
初めは、肩が触れ合うかどうかという距離だった。お互いにそこはかとなく照れながら、それでもつかず離れず、ゆっくりとしたペースで歩いていた。
そこへ、向こうから子どもの集団がやってきた。小学生だ。しかも、私が小学生の頃に、一緒に通学していた面々である。
ヤバい。あの上坂すみれと歩いているところを見られたら、学校で言いふらされるに違いない。私はおっさんなのに、そんな考えが頭をよぎった。
それで、少し距離を置こうと離れたら、なんとあの上坂すみれが距離を詰めてきた。そして、肩が触れ合った。おっふ。
私は意を決し、あの上坂すみれの肩に手をまわした。もちろん本物はどうか知らないけれど、華奢な肩だった。もう子どもたちのことは目に入らない。得も言われぬ幸福感に満たされながら、何ひとつ言葉を交わさないまま、私たちは歩いた。
しかし実のところ、私は夢の中で一度も、あの上坂すみれの顔を見ていない。視界の隅に、肩にかかる髪や、パステル調の服装は見えていたが、はっきりと顔を見たわけではないのだ。
だから、彼女が本当にあの上坂すみれだったのかどうか、定かではない。ただ私はハナっから、あの上坂すみれだと思って疑わなかった。
けれど、もしかしたら、あれは嫁さんだったのかもしれない、などと、まだいびきをかいて寝ている嫁さんの寝顔を見ながら思った早朝5時30分。
いーや、彼女はきっと、あの上坂すみれだったに違いない。と、トイレで用を足しながら自分に言い聞かせた5時35分。
以上、本日はこれにてお粗末。
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