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【映画鑑賞記】『TENET』【わけわからんけど面白い】

 久しぶりのブログ更新は「TENET」の映画鑑賞記。

 すでにいくつもの「ネタバレ解説記事」が出回ってるけど、当ブログにおいて”解説”なんて高度な芸当は無理なので、原則個人の感想をダダ洩らす程度に留めておく。留めておくっていうかそれしかできないだけで。ただし勢いでうすらぼんやりネタバレするのでそこはご愛嬌。

 この映画の斬新なところは時間を逆行するところ。タイプトラベルとかタイムスリップとかではなくて、普通の時間の流れと同じスピードで時間を逆行するという点で斬新。いわばタイムバック?みたいな?

 映像的にはそのまんま逆再生なんだけど、逆行してる人からは順行(普通の時間の流れ)してる人のほうが逆行して見える。その両者が”現在”でくんずほぐれつ交錯するから、もうわけわからんくなる。あと映像が逆行してるとこは効果や劇伴も逆再生みたいな音になる。

 話の前半は、なんか世界を救うための戦いが始まりましたよっていう展開で、真ん中へんでだいたいの状況が明らかになって、後半はその種明かし的な展開になる。前半で襲ってきた謎のあいつはこいつだったのかー!とか、この人なんで出てきたの?そうかここでこうなってたのかー!てな感じ。

 だから後半は映画を観ながらしきりに「あぁ~……はいはいここでね!なるほどね!」という頷きが止まらない。なるほどすぎて笑えてくる。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」観てる時のあの感じ。

 ラストに向けて、どんどん作戦が進行していくと同時に、未来から過去への作戦が逆行していて、まさに過去と未来からの挟み撃ちが展開される。

 主人公は名前がないし、他の登場人物も聞きなれない名前が多くて、台詞の中に名前が出てきても「え、誰だっけ?」ってなることが何回かあった。でも中盤までには慣れた。

 主人公の敵の親玉は、(現在の)人類の敵でもあって結構悪いヤツなんだけど、なんか憎めない気の毒な人っていう感じ。どっちかっていうと悪玉の奥さんのほうが強いし怖い。

 主人公が未来人との戦争に参加することになったそもそもの経緯を考えると、そこにタイムパラドックスがあるんだけど、うまく説明できない。Excelで言うと循環参照みたいなところがある。どこがスタート地点なの?っていう。

 エントロピーが減少すると時間逆行できるとは?未来人はどうやってコンタクトしてきたの?なんでモノだけ未来から送れるの?なんで逆行してると呼吸できないの?いろいろわからないことはある。いやわかる人もいるんだろうけど、そういう細かいことはわからなくても面白い。

 大事なところはわかりやすく作ってあるから、難しい話が入ってこなくて居眠りでもしなければ、だいたいの話はわかるし楽しめる。

 映画のラストは、人類の命運を握る作戦の終結なんだけど、同時にそれが始まりでもあるっていう、まさにそこが時間SFの醍醐味的な感じで、うまいことネタが仕込まれてる。ある意味全編が伏線で、全編がその回収、みたいなちょっと何言ってるかわからない構成の映画。だから斬新なんだな。

 他の解説記事ではよく「2回3回見るとより楽しい」って書いてあるけど、そんな見なくても楽しい。確かに2回目3回目のほうが1回目より楽しいかもしれんけど、まぁ1回でも十分楽しいんじゃないかな。

 テレビで放送されたら録画して何回か見直してみようかなとは思っている。細かいことを気にしたら、わからないところはたくさんあるからね。

 ということで、「TENET」は1回でも楽しい映画です。

 

インセプション (字幕版)

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メメント (字幕版)

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ダンケルク(字幕版)

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