私の好きな天野喜孝さんと大河原邦夫さんのラフを見たくて、前売りチケットを買って行きました。
こういうイベントでもない限りはまず行く事のない、栄の名古屋三越。栄のどこにあるのかもあやふやなまま行きましたが、地下鉄の駅を出たらすぐありました。栄のど真ん中ですね。
ライオンの像がある入り口から入り、7階催事場へ。
この「ラフ∞絵」名古屋展は、かつてタツノコプロに在籍し、今は第一線で……というよりは第一線を通り越して大御所となった4人のクリエイター、天野喜孝・大河原邦夫・高田明美・秋本治のそれぞれが、制作の過程で描いたラフを展示するという企画です。
天野喜孝さんと大河原邦夫さんがタツノコ出身というのは知っていましたが、高田明美さんと秋本治さんがタツノコ出身とは知りませんでした。高田明美さんはアニメのキャラデザで有名なのでさほど驚きはありませんが、あの「こち亀」の秋本さんが、まさかタツノコでアニメーターをしていたとは知りませんでした。
会場内の展示物は撮影禁止でしたが、順路の最後に撮影コーナーがあったので、それまで撮れなかったうっぷんを晴らすがごとく、思う存分撮りまくりました。
撮影コーナーの展示物は、4人がそれぞれの代表作品を入れ替えて描いたものが展示されていました。
「天野喜孝xガンダム」黒い、そして渋い。まさに天野チックな仕上がり。かすかにキャシャーンみを感じるシルエットです。
「天野喜孝xクリーミィマミ」ラフと彩色。これは断然ラフのほうが天野チックです。
「大河原邦夫xファイナルファンタジー」あの天野さんのFF絵がメカメカしく。なんとなくライディーンの敵みたいなイメージ。
「高田明美x吸血鬼ハンターD」セクスィー&キュート。最近のスマホゲーに出てきそうです。
「高田明美xガッチャマン」個人的な印象ですけど、女子ウケしそうなイケメンですわ。
「秋本治xガッチャマン」これはジュンのコスプレをした麗子って感じですな。なんでギャラクターが笑っているかというとパンツが見えているからです。
「秋本治x装甲騎兵ボトムズ」4機のATがこたつを囲んで麻雀に興じるという楽しい絵。膝カックン座り(降着体勢)がちょうどいい。
秋本さんはよほどボトムズが好きなのか、ATについて細かく解説した図もありました。むせる。
これは……一番右側にお客さんが入って撮影するための絵かな?ガンちゃん、ガンダム、両さん、マミ、そして小さくボヤッキー。天野さんのサインが入ってますね。
入り口から撮影コーナー前までは、それぞれの先生方のラフやネーム、コンテなど、大量の資料がずらりと展示されていて、かなりのボリュームでした。そのほとんどが肉筆で、秋本治さんが個人で保管していたガッチャマンのセル画など、貴重な資料も。
高田明美さんの作品では、クリーミィマミをはじめとして、パトレイバー、うる星やつら、きまぐれオレンジロードなどがあって、アニメ雑誌の表紙絵のラフでうる星やつらを見た時は、思わずうなりました。
撮影コーナー手前に、この企画のプロデューサーである布川ゆうじさんが手がけたアニメの絵コンテが置かれていて、ナルトやブリーチ、ニルスの不思議な旅、忍空など、懐かしい作品のコンテも観ることができました。
70~80年代のアニメで育った昭和のオジン・オバンは間違いなく楽しめると思います。今の若いアニメファンにも、CGではない肉筆の迫力と情緒みたいなものを見て欲しいと思います。