今日は休日だったが、所用で市外へ出かけた。
途中、あまり流行っていないショッピングセンターに寄って、昼食をとった。平日昼間ということもあり、立体駐車場はガラガラで、店舗入口の付近だけ、車が並んでいるような状態だった。
店舗入口より少し離れた所に車を止めようと、薄暗い立駐をゆっくり走っていると、立駐の端っこのほうに止めた軽自動車の脇で、小柄なおじさんが何か動いていた。脚立のようなものを出して、なにやらごそごそやっている。
何かの仕事の途中なのかな、などと思って、それ程気に留めることもなく通り過ぎた。
店内で食事を済ませ、百円ショップや本屋で時間を潰してから立駐に戻ると、あのおじさんが立駐の端っこでまだ何かやっている。
車に乗って出口に向かう途中、そのおじさんの傍を通ったのだが、そこでやっと彼が何をしているのかわかった。軽自動車にワックスをかけているのだった。私が通りがかった時はすでにワックスがけを終わって、磨き上げているところだった。あの脚立は、屋根の上をワックスがけする時に使ったのか。
今日はかなりいい天気で、気温が30度に達する真夏日になった。この炎天下で、車にワックスがけするのは、それこそ命がけだ。ワックスをかけるか、それとも命をかけるのか、という話になる。なるか?
人だけではなく、ワックスをかける車にもよろしくない。炎天下のワックスがけはムラになりやすいという。自分の車にワックスをかけたのは、もう何十年も前の話だから、ワックスがけの注意点なぞすっかり忘れていた。今どきの洗車機は、洗車と共にワックスもかけられるから、いちいちワックスで体力を消耗する気になれないのだ。
しかし、あのおじさんの世代(60前後か?)は、車を大事にする人が多い。車が自身のステータスだった時代を生きてきたから、愛車のワックスがけは自分の手で、という人はいるだろう。
そこで、炎天下を避けて立体駐車場の涼しい日陰でワックスがけをしよう、というわけだ。休日でよほど混雑している時ではさすがにやりづらいだろうが、平日昼間のガラガラの駐車場なら、誰に迷惑をかけるでもなく、思う存分ワックスがけができるというもの。
あのおじさんも考えたものだ。しかし、ショッピングセンターの立駐を、まるで自分のガレージのように利用する図太さは、なかなか真似のできるものではない。亀の甲より年の劫か。違うか。
もし近所に、平日はガラガラに空いている立駐付きのショッピングセンターがあるなら、試してみてはいかがだろうか。お店の人に怒られても知らんけど。
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