今回は、ずっと先の話。
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エピソード_88 「対峙」
バイラスは、ヒロキの姿のままで話を続けた。
「かつて人類が文明と呼んだものは、我々が彼らを造り出した時に、彼ら自身がDNAと呼ぶシステムの中に組み込まれた破壊プログラムなのだ。もともとこの惑星ーーー地球の生命体だったサルを、我々が人間へと造り変えた」
「彼らは順調に文明を発達させた。その結果、地球の生態系は壊滅的な打撃を受け、地球環境そのものも改変されていった。君たちの歴史にも残っている、海面の急激な上昇がそれだ。地球の時間で、あと数百年もすれば、この惑星は我々にとって理想的な環境となるはずだった」
「まさか、人類の中に君たちのような種を造り出す者が現れようとはな……それも、この惑星の自己防衛システムの働きなのかもしれない。もともと地球から生まれた生命なのだ、それも考えられないことではない」
「我々が人類を造り出すよりずっと前に、この惑星を管理していた者たちがいた。我々は人類に、彼らを反射的に邪悪だと感じ、忌み嫌うような性質を組み込んだ。それが彼らを弱体化させることになると考えたからだ。そしてそれは、実際にその通りになった。彼らは海底に身を隠し、徐々にその力を奪われていった」
「しかし、人類が自らを滅ぼしたことによって、彼ら”旧支配者”が再び地球のエネルギーを吸収し始めた。そう、君たちの存在が彼らのエネルギー供給源なのだ。君たちは彼らに養分を送る根のようなものだ」
「君たちを造り出した人間の科学者が、彼ら”旧支配者”の影響下にあったかどうかはわからない。我々はただ、文明の種を撒いただけで、それがどのようなものを生み出すかまでは管理していなかったのだ。人類が何を作り出そうと、最終的に彼らが滅び、惑星環境が変わればそれでよかったのだから」
「君たちは非常に……そうだな、君たちの言葉を借りれば、非常に”ユニークな存在”だ」
「残念ながら、我々はもうこれ以上変わることができない。長い時間をかけて、我々は自らを改変してきた。しかし、もうずいぶん前に、限界を迎えたことがわかった。それ以来、我々は自らを変えようとすることをやめ、我々に最適な環境を作り出すことにしたのだ」
「地球は、我々にとって37世代目の棲み処となるはずだった。君たちが現れなければね。地球以外にも、我々が環境を改変しようとしている惑星はいくつかある。地球でなければならない理由はない」
「だが、我々は君たち炭素生物に興味がある。我々が生まれた宇宙には、炭素生物は存在しなかったし、そのような生物が存在するとは考えられていなかった。我々は、炭素生物に、我々自身の限界を超えるヒントがあるのではないかと考えている」
「だから、我々はやはり地球を選ぶことにしたのだ。君たち炭素生物が生まれたこの惑星を」
「奇妙な偶然だが、君たちは我々と姿が似ている。体の組成は全く異なるが、形態は似ているのだ。この共通点に、全く意味がないわけではないだろう。我々はそこに可能性を見出している」
「つまり、我々自身を炭素生物に組成変換できれば、現在の地球環境の改変を待つことなく、この惑星に移住できるのだ」
ハチロウは、バイラスの長い話を黙って聞いていたが、ゆっくりと椅子から立ち上り、ヒロキの姿をしたバイラスを見つめた。
「つまり、どっちにしろ、地球を乗っ取るつもりだってことだろう?」
「乗っ取る……そうか、君たちにとっては、そういうことになるな」
「断る」
「ことわる……?それは、我々が”ことわられる”ということか」
「そうだ」
「我々は”断られる”ことができない。そのような概念を持たないのだ」
「それなら、俺はこの星をお前らから守る」
「そうか。やはり炭素生物はユニークだ。しかし、我々は我々のなすべきことをする」
「だったら、バトルで決着だ!」
ハチロウは、ヒロキが手掛けた最後のブキ「オーバーフロッシャーネオ」を構えた。
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バイラスとは一体?ハチロウは何を相手に戦おうというのか。
次回未定!
※登場するキャラクターや物語の設定などは、スプラトゥーン公式とは無関係の二次創作です。
改2版