「惑う瞳に 甘く溺れて Hold me tight
せつなさは 止まらない」
いきつけのスーパーで、バナナチップが安売りされていた。
バナナチップなんて、何年ぶりに買うだろう。わりと好きなスナックだけど、それほどコンスタントに買おうとは思わないんだよな。
大袋だから、ちょっと小腹が空いた時とか、ちびちび食べていけばいいか、などと思いながらつまんでいたら、手が止まらなくなった。
味は、普通に甘い。揚げたバナナチップに砂糖をからめてあるだけだから、至ってシンプルだ。それほど中毒性があるとも思えない、素朴な味わいである。
にもかかわらず、バナナチップをつまむ手が止まらないのはなぜだろう。
食べながら、ふと気がついた。バナナチップの中毒性は、味よりも食感にあるのだと。硬いバナナチップを、ガリガリボリボリ噛み砕く時の食感。歯ごたえ。これが絶妙なのだ。
ポテトチップに比べてかなり分厚いバナナチップは、噛み砕くのにそこそこの力がいる。しかし、中までぎっしり身が詰まっているわけではなく、スポンジのような構造、いわゆる「連続気泡構造体」に似ているため、一旦砕けると、その破片を噛み砕くことが容易である。
この、硬さと脆さの絶妙なバランスが、他ではなかなか味わえない食感を生み出しているのだ。バナナチップの神髄は食感にあり、というわけである。
そんなことを考えながら食べているうちに、気がつけば大袋の3分の1近くまで消費してしまった。まずい。これだけ高カロリーな菓子を一気に食べたら、がっつり脂肪がついてしまう。
いかんいかんと思いながらも、しばらく手が止まらず、いい加減お腹にもたれてきてようやく止まった。これは危険だ。空腹時に食べ始めようものなら、1袋を一気に食べてしまってもおかしくない。
久しぶりに食べたバナナチップは、予想外に危険なスナックだった。ダイエットに効果がある、などの情報もあるが、だまされてはいけない。食べ過ぎたら太るに決まっている。そして食べ過ぎるに決まっている。
やはりバナナチップは数年に一度食べれば十分だ。これは決してコンスタントに消費していいスナックではない。気をつけねば。
とっめってっ(チャラ~ン)バナナチップ
とっめってっ(チャラ~ン)バナナチップ
はーらが はーらが く~るしっくっなる~