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【アニメ鑑賞記】『ケムリクサ』Episode.11【謎解き回】

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「いつか僕らの世界 変わり果てて
幻想の中 Remember, remember」

 この作品は、1話を見逃してしまって、2話から見始めた。

 荒廃した世界を舞台に、人の形をしていながら人ではなさそうな女の子たちと、人の形だけどなんだかよくわからない男の子が旅をする話。世界や登場人物についての説明は全くないので、ここがどういう世界で、彼らがどういう存在なのか、わからないまま話が進む。

 人が生活していたと思われる街、ビル、工場、遊園地などの建造物が出てくるものの、そこには誰もいなくて、ただただ荒廃した景色が広がる。登場人物たちは、この土地のことを「1島(いちじま)」「2島(にじま)」といった具合に、島に番号を付けて呼んでいるので、島なのだろう。

 島同士は橋で結ばれているようで、主人公たちは橋を渡って島を移動しながら、水と安全を求めて旅をする。

 女の子たちは、人ではなくて、特殊な能力を備えた存在らしく、戦闘向きの「りん」、聴覚に優れた「りつ」、クローンのような4人組の「りな」(個別に「りなっち」「りなぞう」などの名前がついている)が、姉妹のような関係を持っているらしい。彼女らは生きていくのに大量の水を必要とするのだが、それまで住んでいた土地では水が枯渇し、このままでは死んでしまう、ということで旅に出たらしい。

 そこへ合流したのが「わかば」という男の子。彼は女の子たちより非力で、消費する水も少ないが、「ケムリクサ」に高い関心を示し、「ケムリクサ」を操作できたり、温度や触感など、女の子たちにはない感覚を備えている。

 この、タイトルにもなっている「ケムリクサ」というのが何なのか、これまたよくわからないが、見た目は、光る輪郭線だけの、透明な葉っぱで、いろんな色や形があり、それぞれが何らかの機能を備えている。

 この世界には、「赤霧」と呼ばれる、名前通りの赤い霧があり、それは主人公たちにとって有害なものらしい。そしてその中に潜む「ムシ」と呼ばれる、ロボットのようなものたち。「ムシ」は黒い体に赤い輪郭線をまとっていて、問答無用で攻撃してくる。これらの障害をかいくぐりながら、水を求めて別天地へ向かうのが主人公たちの目的だ。

 その過程で、わかばが、ケムリクサの持つ未知の機能を発見したり、タブレット端末のようなケムリクサで、世界の謎に迫ったりと、少しずつ、この物語の謎に対するヒントが小出しにされていく。

 Episode.11では、りんの身体のコアになっているらしいケムリクサに残された記憶を、わかばが取り出すことで、今の状況がどうやって作り出されたのかが明らかにされる。

 最後まで見てみないとわからないけど、この物語はいわば超未来SFで、ディストピア的な世界観を持っているようだ。

 記憶を失う前(「再生」する前?)、わかばはケムリクサを使って、かつて人が暮らしていた街などを再現する仕事をしていて、それらの建造物を「文化財」と呼んでいた。

 その時、一緒に暮らしていた女の子「りり」は、地球で暮らしていた人だったが、何らかの事故で死んでしまい、わかばが仕事をしていた世界で、何らかの手違いから「再生」されたらしい。彼女も、子どもながらケムリクサに高い関心を示し、自己流でその使い方を学習していた。それが仇となって、赤霧やムシを生み出すことになる。

 りりとの会話の中で、わかばは、地面のない部分が白い雲に覆われた世界の「下に地球がある」と言っていた。「下に」というのが、具体的にどういう意味なのかはっきりしないが、わかばが仕事をしていた世界は、地球の上空なのか、それとも地球のそばにある天体なのか、人工物なのか……とにかく地球でないことは確かなようだ。

 魔法のように高度に発達した科学技術の産物であるらしいケムリクサとは、一体何なのか。わかばやりんたちはどういった存在なのか。「最初の人」と呼ばれるりりは何者なのか。「りり」という名前と「最初の人」という設定は、ユダヤ教の「リリン」と関連があるかもしれない。エヴァで言うところの第18使徒、すなわち人間を表す名だ。

 エヴァ同様、謎が多すぎる物語だが、果たして最終話ですべてが明らかになるのかどうか。明らかにできるのかどうか。まさか、最後に登場人物全員で「おめでとう!」言いながらパチパチしないだろうな。

 すべての謎が解き明かされることはないと思うが、ある程度の謎解きと、伏線の回収がなされることを期待するとしよう。

 余談になるが、りな役の鷲見 友美ジェナという声優さん。エンディングのキャストで名前を見た時、文字で名前を見たのは初めてでわからなかったが、毎週聴いてるラジオ番組『仮面ラジレンジャー』にアシスタントとして時々出ている「仮面ライダーGIRLS」の一員だった。

 やたらと声が可愛いので、声優もやれるんじゃないかとかねがね思っていたし、ラジレンジャーの中で本人もやりたいと言ってたから、名前を見た時は「おお、あのスミトモミジェナか」と思った。声優業、がんばってください。

 ということで、今日の話はここまで。

KEMURIKUSA

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TVアニメ「ケムリクサ」エンディングテーマ『INDETERMINATE UNIVERSE』

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