ドドンパが あたしの胸に
消すに消せない 火をつけた
先日のエントリーで、NHK-FMのラジオ番組『今日は一日戦後歌謡三昧』の話を書きました。近藤サトさんが私より年下だと思っていたら違った、という話です。
この番組の今年のテーマは「女性たちの戦後歌謡」だったので、女性歌手の歌がたくさん紹介されたわけですが、その中で渡辺マリの『東京ドドンパ娘』(1961年)という歌が流れました。
このタイトルから私が連想したのは、ドラゴンボールに登場する悪役の桃白白(タオパイパイ)の必殺技「どどん波」です。この技名が、元々存在していた「ドドンパ」という言葉のもじりであることは最初からわかりました。
そもそもこの「ドドンパ」という言葉、私はてっきり花火の擬音だと思っていました。しかし、『東京ドドンパ娘』という曲を聞いても、その歌詞の中で花火という言葉はなく、隠喩でも触れていません。
ちょっと気になったので『東京ドドンパ娘』について調べてみました(毎度おなじみWikipedia)。すると(個人的に)驚愕の事実が判明。なんと、ドドンパというのは、この曲が発表された当時流行っていた音楽の一ジャンルだというのです。マジか。
1960年当時、フィリピンで流行していたマンボが日本に持ち込まれ、アレンジが加わって独特のリズムを形成したものが、そのリズム自体から「ドドンパ」と呼ばれるジャンルになったというのです。そして一大ブームを巻き起こし、色々な歌手がドドンパ曲を発表したとのこと。生まれる前だからなぁ。そりゃ知らんわ。
そういえば、米米CLUBの曲に『東京ドンピカ』(1991年)というのがありました。昔の曲にはよく「東京〇〇」というタイトルがあるので、それのパロディだと思っていましたが、これは『東京ドドンパ娘』のパロディだったんでしょうか。
あと、もっと最近でいうと、東村アキコのマンガ『東京タラレバ娘』がありますね。これは明らかに『東京ドドンパ娘』のもじりでしょう。
なるほど、いろんな歌や作品の元ネタとして『東京ドドンパ娘』は使われているわけですね。それだけヒットした曲ということなんでしょうか。
あと、富士急ハイランドのジェットコースターで『ドドンパ』っていうのがありましたね。今はバージョンアップされて『ド・ドドンパ』になったらしいですけど。でもあれはなんで『ドドンパ』なのかよくわかりません。
いや~、意外なきっかけで勉強になったなぁ。
ところで、どどん波の使い手である桃白白のモデルは、ジャッキー・チェンの映画『スネーキーモンキー 蛇拳』に登場する悪のカンフー使い「上官逸雲」(シャンカン・イーユン)です。私はジャッキーのカンフー時代劇が大好きだったので、ドラゴンボールに桃白白が登場したときはすぐにピンときました。
さらに、セガの格闘ゲーム『バーチャ・ファイター』シリーズに登場するカンフー使い「ラウ・チェン」は桃白白がモデルになっています。ここにも昔の作品が後の様々な作品に影響を与えている様を見ることができますね。
今現在、流行している作品や、様々な作品の中で、ある種の定型となっているようなものも、過去の作品の影響から形作られていたりするので、その元を辿ってみると、いろいろな発見があって面白いかもしれませんね。
ということで、本日もお粗末様でした!