Listen my blues
騒ぐのはなしだ
ホッテントリに入ったこの記事について。
「若い頃やってしまった事の請求書が40代になったら全部来る」という吉本ばななさんと糸井重里さんの対談での言葉が突き刺さる人々 - Togetter
因果とか賞罰とか好きな人が多いのは仏教の影響なのかな。
2018/06/13 12:28
元の対談は読んでいないので、まとめられたツイートを見ただけですが、こういう考え方ってわりと受け入れられやすいのかな、という印象です。
こういう考え方とはつまり「因果応報」というやつで、仏教から来てる考え方です。世の中の出来事には原因と結果があり、善い行いには善い結果、悪い行いには悪い結果で報いを受ける、というものです。わざわざ説明しなくても知ってますよね。それくらい日本人には馴染みの深い概念です。
これを個人に当てはめて解釈すると、自分が行ったことは善いことも悪いこともそれぞれに結果として跳ね返ってくるんだよ、善いことをすれば善いことが返ってくるし、悪いことをすれば悪いことが返ってくるよ、だから善いことをして悪いことはやめようね、というような道徳に繋がります。
普通に会話の中で因果応報と言うときは、特に何か運が悪いことが起きた場合に、それは悪行の報いだよというニュアンスを込めて使われることが多いようです。
ただし、コトはそれほど単純ではなくて、現実の人生においてわかりやすい因果応報なんてまずありません。Aさんの善行の結果をBさんが受け取り、Bさんの悪行の結果をCさんが受け取る、なんてこともあるでしょう。人はみな関係の中で生きているので、それぞれの行為は関係の中で絡み合い、様々なルートで結果に辿り着きます。そして、そのルートを遡って原因を究明することはほぼ不可能です。
自分のやったことがそのまま自分に返ってくるなんてことは、人生の複雑さを考えればあり得ないことです。「因果応報」は、ものごとを単純化して、道徳観を人に植え付けるための方便だとも考えられます。
なので、若い頃にやってしまったコトが40代になって返ってくるというのは、まぁそこそこ無茶な話だとは思います。しかし、日本人の心に深く根付いた仏教的道徳観が、この話を「なるほど」と思わせるのかもしれません。なにしろ日本語の熟語や概念は、仏教の経典が元ネタになっているものが多いですから、当然と言えば当然です。
個人的には「んなアホな」という感想しかありませんけども。
ではまた!
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