ペンデュミオンの螺旋

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ペンデュミオンの螺旋とは - ごくぺでぃあ

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 今月からこのブログのタイトルは「ペンデュミオンの螺旋」になりました。

 ペンデュミオン?……の、螺旋?聞きなれない言葉だと思いますので、ブログのタイトルに冠した「ペンデュミオンの螺旋」についてお話したいと思います。

 ペンデュミオンは、18世紀末のギリシアの科学者……というより錬金術師で、すでに錬金術よりも科学が幅を利かせていたこの時代に、趣味で錬金術を極めようとした人物です。父親は鉱脈を見つけることを生業とする有能な山師で、莫大な財産を築いたとされます。その父親の遺産を食いつぶしながら、生涯を趣味の錬金術に費やした道楽息子がペンデュミオンです。

 彼の錬金術はあくまで趣味の範囲でしたから、本業の科学者や、その時代にまだ錬金術を信じていた人達にも全く知られていませんでした。その彼が、一躍ギリシアの有名人となった出来事があります。

 それは、彼が友人の科学者であるアレイスタに、錬金術の成果として見せた不思議な石にまつわる一連の事件でした。その石は、1辺が1ペーキュス(およそ48cm)の正六面体で、表面には幾何学模様が彫り込まれており、質感は石のようでありながら、その大きさに比して非常に軽かったといいます。触れると硬いけれども、地面に落とすと軽く弾んだそうです。

 さらに不思議なことに、その石を転がすと、その場にいた人が勝手に身の上話を始めたり、本当は知られたくないようなことまでペラペラ喋りだしたというのです。石を転がした時に上を向いた面の模様によって、話す内容はおよそ6つのパターンに分かれていたといいます。

 話を聞きつけた人々がペンデュミオンの元を訪れ、その不思議な石の「魔法」を見せてくれるように頼みました。ペンデュミオンは快く引き受け、集まった人々が見守る中、石を転がしては人々が話し出す物語をみんなで楽しんだといいます。ペンデュミオンはその石を転がすとき、軽快なリズムで呪文のような言葉を唱えたそうです。

 「ナニ・ガデル・カナ、ナニ・ガデル・カナ……」

 アレイスタが、この石をどこで手に入れたのかと聞くと、ペンデュミオンは「螺旋の神に作り方を教えてもらった」と言い、その製法と必要な材料を記したノートを見せたそうです。ところが、そこに描かれていたのは、複雑な螺旋が絡み合ったような、絵なのか文字なのかも判然としないものでした。

 しかし、ペンデュミオンがそのノートの読み方をアレイスタに教えると、アレイスタもペンデュミオンが作ったという不思議な石と同じものを作ることができたのです。ところがアレイスタは、ペンデュミオンのノートの写しを燃やしてしまい、自分が作った不思議な石もどこかへ捨ててしまったといいます。

 その後、ペンデュミオンとアレイスタの交流は途絶え、ペンデュミオンと不思議な石の噂も廃れ、人々の記憶から忘れ去られていきました。

 時は流れ19世紀半ば、第二次大戦が始まろうとする頃、錬金術の文化的意義について研究するボーマンというイギリス人が、ペンデュミオンの子孫から「螺旋の神のノート」と、あの不思議な石を譲り受けました。しかし彼もまた、ノートと石と共に姿を消してしまったといいます。ボーマンがどうやってペンデュミオンの子孫を探し当てたのか、ノートと石は本物だったのか、全ては謎のままです。

 ただ、ボーマンがノートと石について研究・考察した資料が残っていて、戦後それを手に入れたのが日本の人文学研究者だったと言われています。彼の名は後藤隆太郎。そう、後に僕の祖父となる人物です。

 ちゃんちゃん。 

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