狭い我が家では、去年の秋からGの出現確率が異常に上昇している。
原因はいまだ不明だが、コンバットやらホイホイやらの罠を導入して、繁殖と侵入を防ごうとしている。
最も出現しやすいのは台所だ。料理のゴミや果物、野菜、粉類、調味料、菓子などが置いてあるので、寄り付きやすいのはわかる。中でも、特に多いのが流し台回り。1日1匹の割合で登場する。それも、体長1~2cmほどの小さいヤツだ。3~4cmクラスのでかいヤツはほとんど見ない。
以前は、見つけたら凍殺ジェットで退治していたが、台所なので火の気が怖いし、コスト的にもバカにならない。ガスもたくさん出る。
そこで、エタノールをハンドスプレーに入れて、ノズルをストレートにしてゴキブリ退治に使っている。もし食べ物や食器にかかっても平気だし、ガスも出ない。ただし火気は怖いので注意が必要。
これで、エタノールをズビッと直球でゴキブリにかけると、わりと死ぬ。速攻で死ぬほどの毒性はないようだが、しばらくジタバタしたあと、ピクピクしてやがて動かなくなる。スプレーだと拡散してしまって、即効性に欠けるので、ストレートモードをお勧めする。
ところで我が家の息子氏は、虫が大の苦手。ゴキブリはもちろん、小さな蚊や、コバエですら怖がる。そんな息子氏の前に、クモが現れた。小さなハエトリグモだが、息子氏に大きさは関係ない。虫=恐怖、なのだ。
クモは益虫だからなるべく殺したくない。しかし、息子氏に「益虫だから」という理由は通用しない。しかたなく、エタノールをかけてみたら、これが全く通用しない。
エタノールでベタベタになって足を取られはするが、動きが鈍くなるとか、ひっくり返って苦しむとかいうそぶりは全く見せない。床にできたエタノール溜まりの中を、一生懸命泳いで渡ろうとする。さすがに気の毒になって、ティッシュで救出して、外に出した。最初からこうすればよかった。エタノールから解放されたクモは、何事もなかったかのように、スタコラ歩いて行った。
しかし、あのゴキブリですら死に至るエタノールにも、びくともしないクモの強さは、一体どこから来るのだろう。ほとんどの虫は、エタノールで気門を塞がれて窒息死すると言われているが、クモはどうなんだ。
調べてみると、昆虫が気門という呼吸器を備えているのに対し、クモは書肺という、より単純な構造の交換器を持っているらしい。しかし構造は違っていても、エタノールで塞がれたら酸素交換できずに窒息するはずだよな。なんで死ななかったんだろう。不思議だ。
たまたまあのクモが酒豪だった、ということかな。知らんけど。