ペンデュミオンの螺旋

なんでもかんでも思いつきだけで好き勝手に書いています

スポンサードリンク

【読書感想文】ゲームウォーズ(Ready Player One)【最近のSFも読む】

このエントリーをはてなブックマークに追加

※作品の内容に関するネタバレを含みますのでご注意ください。

wwws.warnerbros.co.jp

readyplayeronemovie.com

 今年の4月に日本でも公開予定の映画『レディ・プレイヤー1』の原作『ゲームウォーズ』(アーネスト・クライン著、池田真紀子訳、SB文庫刊)全2巻を読みました。

 舞台は近未来のアメリカ。というよりは”OASIS”というバーチャル空間、と言ったほうがいいかも。現実の世界は、現代よりもさらに貧富の差が広がり、深刻な環境破壊が世界を蝕んでいます。しかし、貧困層にも端末さえあればアクセスできる無料のバーチャル空間があり、人々は崩壊しつつある人間社会と、希望の見えない現実から目を逸らすように、そのバーチャル空間=OASISにアクセスし、現実とはかけ離れた生活を送っています。

 まるで、スマホや携帯が生活必需品として貧困層にも行き渡っている現代社会を、さらに推し進めたような世界観。

 そのOASISを開発した天才プログラマーにして世界有数の大富豪ジェームズ・ハリデーが、OASIS内に隠した”エッグ”を見つけた者ただ一人に、OASISを含めた全ての資産を譲る、という遺言を残してこの世を去ります。その遺言ビデオが、OASISに接続するすべてのユーザーに届いたもんだからさぁ大変。大企業から個人まで、まさに全世界がその”エッグ”そ求めてしのぎを削ることになります。

 ”エッグ”を求めて、OASISに隠されたキーを探す個人を「ガンター」と呼びます。OASISは本来ゲームなので、バーチャルな世界を動き回るのは、リアルのOASISユーザーとは異なる姿かたちをしたアバターアバターにはレベルがあり、魔法系やテクノロジー系の様々なアイテムを駆使して、ゲーム世界に隠された宝を探索します。このあたりの設定は、冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』を彷彿とさせます。

  主人公のウェイド・ワッツは、幼くして両親を亡くし、母方のおばの家(と言ってもトレーラーハウス)で暮らす貧しい少年。おばさんやその情夫にいじめられながらも、持ち前の頭の良さと、膨大な知識を生かしてガンターとなり、OASISに隠された”エッグ”を探しています。まるでハリーポッターのようなキャラ設定。

 ウェイドの敵となるのは、イノベーティヴ・オンライン・インダストリーズ(IOI=アイ・オー・アイ)というグローバル通信コングロマリット(要するに大企業)です。ここの社員で、金と組織力に任せて”エッグ”を探す部署に所属する人間(ガンターからは軽蔑を込めて「シクサーズ」と呼ばれる)は、みんな同じアバターを使っていて、外見ですぐにそれとわかるようになっています。こいつらは『マトリックス』に登場するエージェントスミスを思い起こさせます。

 IOIは、莫大な資産とOASISの支配権を手に入れることで、そこに接続するユーザーと世界をも支配しようと企んでいます。ウェイドとその仲間のガンターは、力ずくで”エッグ”を手に入れようとするシクサーズと対立し、”エッグ”を手に入れるための謎解きゲームと、OASISの自由を守るための戦いに身を投じていく……そんなお話です。

 著者は1972年生まれで、私と同世代。70年代~80年代に渡るゲーム、アニメ、コミック、音楽、映画などを含むポップカルチャーを、これでもかと作品中に詰め込んでいます。同世代のオタクにとっては、まさに「わかりみがハンパない」状態。日本ではあまり知られていないアメリカの作品なども登場しますが、日本でも人気のあった作品がほとんどで、日本発の作品も数多く登場するので、とくにアラフィフの中年オタクにはハマりまくること請け合いです。

 近未来の話なのに、なんで70年代~80年代要素が絡むの?という疑問が湧くかもしれませんが、OASISの開発者ハリデーが、作者と同じ1972年生まれという設定だからです。そして、”エッグ”が隠された扉を開く鍵を手に入れるには、それら’70sおよび’80sポップカルチャーに関する膨大な知識と、ゲーマーとして卓越した技能を有することが求められるのです。

 ウェイドは、”エッグ”を探し求める過程で、友情、恋愛、そして挫折を経験しながら成長し、バーチャルとリアルを行き来しながら謎解きと冒険を繰り返す、まさにゲームのような物語が展開されます。果たして”エッグ”を手にするのは誰なのか?挫折の果てに、最後の賭けに出たウェイドの行く手に待ちうけるものは一体……!?

 映画の予告編にも登場しますが、日本発のキャラクターが大活躍で、ウルトラマンガンダムメカゴジラライディーンなどが最後の決戦に登場します。で、主人公が乗り込むロボットは、なんとレオパルドン!主人公の乗り込む機体が、ガンダムでもライディーンでもなく、レオパルドン。この事実ひとつとっても、いかにオタク心をくすぐる作品なのかが垣間見えることと思います。

 レオパルドン知ってます?1978年にテレビ放送されてた東映の特撮ドラマ『スパイダーマン』に登場する巨大ロボットです。知らない人は「スパイダーマンに巨大ロボ?」とお思いでしょうが、出てくるんですよこれが。私もリアルタイムで観てましたから、うっすらとですが覚えてます。

 スパイダーマンといっても、なにせ東映特撮ですから、キャラの使用権だけ契約して、中身はスーパー戦隊です。スパイダーマンはひとりだから戦隊じゃないけど。とにかく、悪と戦うスパイダーマンが空飛ぶ車に乗って、ロボットとドッキングして、巨大化した敵を倒すんですよ。現代に続くスーパー戦隊の原型は、この『スパイダーマン』にあった、とさえ言われています。(Wikipediaによれば)

 東映スパイダーマン、懐かしいな。私のスパイダーマン体験はこれが最初ですから。そういう人、結構いるでしょう。アメリカのアニメも吹替えで放送されてたのを観ていた記憶がありますが、断然東映版のほうが面白かったです。動きを真似して、友達とスパイダーマンごっこやってました。渡辺宙明先生作曲の主題歌も渋い。特撮みが濃ゆい。なにしろ渡辺宙明先生ですから。

 きみはな~ぜ~ きみはな~ぜ~

 たたかぁ~いつづけるのか いのちをかけ~て~……

 ということで、映画は絶対4DXで観るぞと心に誓ったごくまでした。

 ではまた!

ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

 
ゲームウォーズ(下) (SB文庫)

ゲームウォーズ(下) (SB文庫)

 
Ready Player One

Ready Player One