嫁さんが電池で走る小さな車のおもちゃをもらってきまして。すでに電池が入っていたので、一応動くことは動くんですが、電池残量が少ないのか、はたまたツルツルのタイヤに問題があるのか、机の上に置いても全然進みません。
コルクの床マットの上に置くと、多少グリップが効くのか、ノロノロとではありますが、なんとか進みます。が、コルクマットのつなぎ目のちょっとした段差でひっかかり、すぐに止まってしまいます。
ちょっとした段差で止まっちゃうね、なんてことを嫁さんと話していたら、息子が突然の発言。
「もっとフレッシュな段差ならとおれるんじゃない?」
お、おう。
いきなり来たね。斜め下から突き上げるように。お父さんのボディに入った。じわじわ効いてきたよ。なにその「フレッシュな段差」って。どこで覚えたその単語。保育園?それともテレビ?息子の中で「フレッシュ」という単語にどのような意味づけがなされているのか気になります。
さてそんなフレッシュな息子が、最近やたらとハマっていることがあります。
それは巻尺。裁縫道具のひとつで、150cmのやつありますよね。柔らかいプラスチック製のあれです。百均でも売っているお手軽なやつです。もともと、あの巻尺はおもちゃとして気に入ってて、伸ばしてはボタンを押して巻き戻す、という動作を2歳くらいのときから飽きもせずにやっていたんです。ボタンひとつでシュルシュルと戻っていくのが面白いんでしょうね。
しかしそれだけでは飽き足らないのが子供というやつで、そのうち限界まで引き出して振り回したり、ねじねじにひねってクシャクシャにしてみたり、いろいろやっていました。そのうち中のゼンマイが壊れてしまって、ボタンを押しても戻らなくなってしまいました。
はじめはそのことに怒って僕に文句を言っていたのですが、自分で壊したんだからしょうがないでしょ、と突き放していたら、いつの間にか新たな遊びを開発しました。遊びと言っていいのかどうかも疑問ですが。
伸びっぱなしになった巻尺を、先端からきっちり詰め詰めで巻き取っていく、という作業です。それはもう遊びというより、作業。両手でクリクリクリクリ巻き取って、最後まで巻くとまたほどいて、最初からやり直し。何が気に入らないのか、途中でほどいてやり直すこともあります。
その作業を、保育園から帰ってすぐ、ご飯を食べたあとすぐ、お風呂から上がるとすぐ、朝起きたらすぐにやり始めるんです。異常なほど集中して、真剣な顔でクリクリクリクリ巻いています。おかげで何事も遅れ気味です。なかなかお風呂に入らない、なかなか布団に入らない、なかなか朝ごはんを食べない、いちいちはかどりません。
一体、巻尺の何が息子をそこまで駆り立てるのでしょうか。謎が謎を呼ぶばかりです。手先を動かし続ける単調な作業が、日常のストレスを忘れさせてくれるんですかね。4歳児にそこまでのストレスがあるものでしょうか。それで思い出したのがこちらの記事。
息子の巻尺まきまき作業が爪かみに相当する行動なのかどうか、今のところはわかりませんが、物事がはかどらないということ以外、これといった弊害はないので、やめさせずに見守っていこうと思います。
朝が大変だけど……それが弊害か。
では、そういうことで!