涙こらえりゃ 子守歌
枕に昔が また染みる
いつ頃からか忘れましたが、まだ割と最近のことだと思います。
息子氏が寝る前、だいたい私が歯磨きの仕上げをします。息子氏が自分で歯磨きをしたあと、いったん歯ブラシを洗って、虫歯予防スプレーのレノビーゴをスプレーします。
私がその作業をしている間に、息子氏は寝室でかくれます。主に布団の中。
6畳間の狭い寝室、隠れるといっても場所に限りがあるので、布団の中くらいしか隠れる場所がありません。押し入れはものがいっぱい詰まっていて、子どもでも隠れるスペースはありません。
初めのうち、布団にもぐっていることがすぐにわかる状態だったので、軽い気持ちで「はやく仕上げして寝るよ」と布団をはがしたら、マジでふてくされてしまって、仕上げ磨きをするまでにウジウジして時間がかかってしまいました。
どうやら息子氏的には、本気で隠れているつもりだったようです。
なので次からは、かくれている場所が一目でわかっても、少し迷って探すフリをするようにしました。しばらく探すフリをしていると、息子氏自ら「ここだよ!」と出てくるので、それまで「どこかなぁ」とかなんとか言いながら、狭い寝室をうろうろします。
そんなことがしばらく続いた後で、いつものように探すフリをしていると、息子氏が隠れていると思っていたのとは別の布団から出てきたので、マジで驚いてしまいました。なぜか息子氏のステルススキルが急激にレベルアップしたようです。といっても隠れるのは結局布団の中なんですが。
布団の中にマクラを仕込み、あたかもそこに自分が隠れているように見せかけて、実はもう一枚の布団になるべく平たく寝そべって身を隠していたのです。いつの間にそんな技術を。
しかし、こっちが場所を把握していないと、探すフリをしてウロウロするうちに、隠れている息子氏を踏んづけてしまいそうで、ちょっと怖い。それ以来、息子氏を探すフリをするにも少し慎重になりました。
なかなか面倒な息子氏ですが、そんな面倒をかけてくれるのもあと何年かと思うと、ついついその面倒に付き合ってしまいます。
自分でも甘いなぁと思いつつ、甘やかせるうちに甘やかしておこうというのが私の父親としての方針ですので。家の外では、子どもなりに様々なストレスにさらされたり、気を遣ったりしているようなので、せめて家では思い切ってわがままを言えるような環境を作っておきたいのです。
今日も布団の中に隠れていた息子氏。でも時間が遅かったので探すフリはスキップして、速攻で見つけてやりました。ちょっと不機嫌になりましたが、仕上げ磨きが終わるとすぐに寝てしまいました。
そんな親子の戯れに、幸せをかみしめる秋の夜なのでした。
ということで、本日もお粗末さまでした。