未知なる者の助けによって現世(?)に舞い戻った黒すずめとメイドなまこ。しかし未知なる者の言葉通り、彼が姿を消すと同時に、黒すずめたちは未知なる者のことを忘れてしまう。これは一体どういうことなのか?
未知なる者の助けによって現世(?)に舞い戻った黒すずめとメイドなまこ。しかし未知なる者の言葉通り、彼が姿を消すと同時に、黒すずめたちは未知なる者のことを忘れてしまう。これは一体どういうことなのか?
ドラマで話題の「ミステリと言う勿れ」は、嫁さんの勧めで読み始め、その含蓄のある、というか、示唆に富んだ、というか、そんなセリフを吐く主人公が面白くて、田村由美という漫画家に興味を持ち、じゃあ他の作品も読んでみよう、と手を出したのが「7SEEDS」です。
少年ジャンプ育ちの私は少女漫画に疎く、今まで読んだ作品といえば「伊賀のカバ丸」か「ポーの一族」くらいなもんでした。他にもいくつか読んだはずだけど、思い出せません。それくらいの疎さです。
この作品は確かに少女漫画ではあるけど、どスペクタクルな話で、とにかく息つく間もなく次から次へと危機的状況が起こり、登場人物全員が危ない目に遭いまくります。
ざっくり内容を説明すると、地球に隕石が落ちるのを察知した政府が、選ばれた少年少女(と少しの大人)たちをコールドスリープ状態にして、地球環境が回復したら目覚めるように設定した設備に保存し、人類滅亡後の未来へ送り出し、目覚めた彼らがサバイバルする、という話。
少年漫画にもありそうな設定ですが、各キャラの絡み方や関係性はやはり少女漫画のそれで、人間関係や心理描写が細やかです。人類文明が滅び、これからまた人類社会を立て直していこうという目的は一緒のはずなのに、なんでこうなった?的な展開があり、それぞれの事情が絡んで、誰も悪くないのにどうして?みたいな話にもなるわけです。
そこらへんで繰り広げられるやりとりが、めちゃめちゃ心に刺さりまくる。何かちょっとしたいざこざや危機の後に、それを締めくくるような決め台詞がバチッと入ると
「そう……そうなんだよな!」
「わかる!」
「はぁ……俺も心当たりあるわ~……」
などといちいち頷きたくなる。
物語自体は、なにしろわかりやすいスペクタクルなもんで、そういう映画の演出とか展開を見慣れてると、先が読めるっていうほどでもないけど、一見ほっとするけどこれで終わらないんだろうな、くらいのことはわかるわけです。
しかし、その物語を動かしていくキャラの描き方が丁寧なので、決して退屈にはならない。これはおよそ17年も連載を続けた長編だからこそできる芸当だと思うんですが、こんだけ登場人物が多くてもそれぞれのキャラがちゃんと立ってるんですよ。これは漫画のいいところだと思います。
小説でこれだけ人が出てきたら、私は絶対に覚えられない自信があります。漫画だから顔とキャラが一致して覚えていられる。それぞれの役割もちゃんとしてるから、わかりやすい。時間を置いて登場しても「これ誰だっけ?」とならないんです。
これ多分、若い頃だったらそこまで刺さらなかったと思います。年を重ね、酸いも甘いも嚙み分けたっていうか、酸いも甘いもぐっちゃぐちゃに噛み砕いてきたからこそ刺さる、みたいな台詞が多すぎる。刺さりすぎて何回涙したことか。50過ぎのおっさんが。
久しぶりに「これは今の自分が出会い、読むべき漫画だったのだな」と思うくらいの作品に巡り合えた気がしますね。リアルタイムでこの作品を追っかけられた人はうらやましいなとも思うけど、一気に読めたのもそれはそれでよかったと思います。
いや~漫画って本当に、いいものですねぇ。
それではまた。
観てきました。
アマプラで1作目が配信されていて、それに息子氏がハマったため、久しぶりに家族で映画館へ行きました。
私自身は、息子氏がアマプラで観ているのを横目でチラチラ観ていただけなので、正直なところ1作目のすべてを把握していたわけではありません。なんか楽しそうではあるな、という印象だけでした。
今回の吹き替え版キャストには、あのB'zの稲葉浩志が加わるということで、物珍しさも手伝って、前のめりに鑑賞できました。
今作は、前作に比べてバタバタと忙しく物語が展開します。しっとりじっくり見せるような場面は、ほとんどありませんでした。展開が少々強引だなと感じる場面もありました。
そうして映画を観終わる頃に「なんだかこの強引な感じ、どこかで……」と思いついたのが、今まで息子氏とたくさん観てきた、日本の特撮ヒーロー作品でした。
特撮ヒーロー作品の物語進行には
「あ、ここは説明しないんだ……」
とか
「あ、このまま先に行っちゃうんだ……」
と思うような展開がままあります。悪く言えば”ご都合主義”的な部分があるわけです。視聴者である子どもを飽きさせないためには、少々強引でも、物語を先へ先へと引っ張っていかなければならない、というのはあるでしょう。
今回の「SING/シング:ネクストステージ」にも、それと似たような印象を持ちました。ただ、その強引な展開に合わせて新キャラを設計しているようなところもあり、無理のある展開とまでは感じませんでした。もともとドタバタ劇なので、それくらいは許容範囲とも言えるでしょう。
クライマックスシーンでは(たぶん)「マダガスカル3」へのオマージュとも取れるカットがあったり、懐かしい楽曲が登場したり、子どもだけでなくお父さんお母さんにも十分楽しめる内容だと思いました。
ということで「SING/シング:ネクストステージ」は全国の映画館で絶賛公開中です!
黒すずめの友達「フロミン」のもとに現れた怪しげな存在。彼は「未知なる者」と呼ばれているが、その正体は謎に包まれている。フロミンとは知り合いらしいが「時間なんて関係ない」とはどういうことなのか。「黒いのが2体」は間違いなく黒すずめとメイドなまこのことに違いない。