何日も何日も漬けられて僕らは
おいしいぬか漬けになってゆくのです
仕事中にふと思った。
「ぬか喜び」っていう言葉があって、意味は知ってるけど、なんで「ぬか」なのか知らないなって。
勘違いや状況の変化で、喜んだことが帳消しになったときに「ぬか喜びだったね」なんて言うんだけど、そもそもなんでそれが「ぬか」喜びなのかな。
調べる前に自分で考えてみよう。
まず、ぬか(糠)というのは、穀物を精白する段階で出る粉のことだね。見た目がそこはかとなくきな粉に似ている。きな粉はおいしい。たぶん、ぬか漬けに使おうと思ってお母さんが置いといたぬかを、子どもがきな粉と勘違いしてなめたらまずかった、ということから「ぬか喜び」っていう言葉ができたんじゃないかな。
語源由来辞典で調べてみた。
ぬかは、その粒子状の様態から、近世より「細かい」「ちっぽけな」という意味で使われるようになったそうな。細かい雨のことを「小糠雨」なんて言うね。小糠雨が降るのはだいたい御堂筋と決まっている。欧陽菲菲の歌だけど。作曲がベンチャーズって知ってた?
その「細かい」「ちっぽけな」という意味から派生して「はかない」「頼りない」という意味も含まれるようになったんだって。だから、一瞬で終わってしまうはかない喜びを「ぬか喜び」って言うわけだ。なるほどー。
きな粉は全然関係なかった。
でも、ぬかをきな粉と思って喜んでなめたら「ぬか喜び」だよね。当たらずとも遠からずじゃない?違うか。そもそもぬかをなめたことがないから、どんな味か知らないし。たぶんまずいだろうとは思うけど。
いや、でもぬかってすごい栄養あるんでしょ。玄米とか全粒粉のパンとか、健康にいいって言うじゃない。だいたい何でも皮のほうに栄養あるとか言うよね。果物とか魚でも。正確には皮”にも”栄養があるってことなんだろうけど。
ビタミンBとか食物繊維とか、いろいろ健康に良い成分が含まれていて、食用以外にもセラミックとして応用されたり、幅広い用途でその力を発揮しているらしい。見た目だけで「はかない」とか「頼りない」と決めつけるのは古いんだね。
となると「ぬか喜び」の意味も、一度にいろんな喜びが味わえる、くらいの意味に変わってもおかしくないわけだ。まぁ、変わらないだろうけど。
普段、何気なく使っている言葉でも、その本来の意味や由来を知らないことって多い。たまに気がつくけど、忘れちゃう。今日は忘れないうちに記事が書けた。
では本日はこれにてお粗末。