心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

二度と嗅ぐことのない香り

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 みんな陽気に飲んで踊ろう

 愛のコーヒールンバ

  

 去年から尿酸値を気にして、家でよくコーヒーを飲みます。およそ1年間コーヒーを飲み続けたら、今年の健診で本当に尿酸値が下がったので、引き続きコーヒー生活を継続中です。

 新品のコーヒー(インスタント)の封を切ると、新鮮なコーヒー(インスタント)の香りが鼻腔をくすぐるわけですが、この香り、半分くらい使う頃にはすっかり飛んじゃうんですよね。

 そこで思い出すのが、子どもの頃に母親がよく入れてくれた、ネスカフェの香りです。眠れなくなるといけないので、かなり薄めにされていましたが、子どもにはそれで十分でした。

 昔はゴールドブレンドみたいな粒々のやつはなくて、今のエクセラみたいな粉のインスタントコーヒーしか飲んだことがありませんでした。でも、あの頃に飲んでいたコーヒーの香りは、今のネスカフェにはありません。

 数年前から、ネスカフェのクラシックブレンドという商品が出ていて、値段も安いのでそれを気に入って飲んでいますが、それも昔の香りではありません。

 大人になって、アレルギー性鼻炎を経験した頃から、嗅覚が鈍くなったなと感じています。今は鼻炎はありませんが、嗅覚は戻っていません。特に、口の中から鼻に抜ける香りがほとんど感じられなくて、食べ物の美味しさが半減したような気がします。

 しかし、たぶんそれとは関係なく、子どもの頃に飲んだコーヒーと、今のコーヒーでは、味も香りも全然違うように感じます。それとも、子どもの敏感な嗅覚で感じ取った香りは、たとえ同じ香りであっても、大人の鈍った嗅覚で嗅いだ香りとは違って感じるのでしょうか。

 いい香りも、そうでない香りも、子どもの頃の記憶に刻まれた香りが、ときたまフッと蘇ることがあります。そういう香りの中には、この先二度と嗅ぐことのできない香りというものもあるのでしょう。

 コーヒーの香り、焼肉の香り、保育園の先生の香り、空き缶の香り、音楽室の香り、住んでいた家の香り。いろいろな香りが、今でも記憶のどこかに、懐かしさと一緒に保管されています。おそらくもう二度と鼻で嗅ぐことのない香り。脳内でだけ再現できる香り。たぶん、誰でも持っているものですよね。

 ところで、もしも記憶を頼りに香りを再現できる技術ができたらすごいですね。かなり難しそうですけど。

 ではまた!

 

コーヒー・ルンバ

コーヒー・ルンバ

 

 

 

日本珈琲貿易 ネスカフェ クラシックブレンド175g

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