ペンデュミオンの螺旋

なんでもかんでも思いつきだけで好き勝手に書いています

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【ショートショート】反乱は星に墜ちて

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 夢という 風に導かれて

 あやまちの 船に揺られてく

 

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 人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀。

 地球の周りには、宇宙エレベーターで繋がれた”スペース・ナッツ型”コロニーがいくつも浮かび、入植者たちは主に、太陽光エネルギーを転換する装置の保守、プラントでの農産や畜産に携わっていた。

 しかし、入植者たちの生活は、当初の計画よりもかなり苦しく、彼らの間には不満が募っていた。やがて、自分たちの生活が苦しいのは、地球に住むエリートたちが生産物を搾取しているからだという主張を通して、入植者の団結と自治を求める機運が高まっていった。

 それらのグループの中でも、過激派の急先鋒として知られるグループが、コロニーの生産物を独占し、地球への輸送を止めるための破壊工作を企てた。コロニーと地球を繋ぐエレベータと、エネルギー供給ラインを停止させる計画を立てたのである。

 彼らの破壊工作は成功し、コロニー生産物が地球へ送られることはなくなった。入植者たちの生活は向上するはずだった。

 だが、実際には入植者たちの生活はますます厳しくなり、食糧や機能維持のためのエネルギー不足が深刻な状態に陥った。コロニーの生産能力は、コロニー自体の機能、人々の生活も含めた全ての活動を維持できる状態ではなかったのだ。

 実は、コロニー計画を立てた政府は、計画の不備と見通しの甘さを隠蔽するため、コロニーが十分に機能していると見せかけるために、地球からコロニーへ資源を送っていたのだった。入植者たちも、地球に住む人々も、政府に騙されていたのである。

 やがて、この事件をきっかけにコロニー計画の中止が決定され、入植者たちはすべて地球に帰還することになった。しかし、実際に帰還が実施されるまでの間、実に半数の入植者が病気や飢えで死んでいった。

 そして破壊工作を率いた過激派グループのリーダーは、一方では大量死の原因を作ったとしてテロリスト扱いされ、また一方ではコロニー計画の欺瞞を暴露したと英雄視された。彼は地球への帰還を待たずして、姿を消したという。

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 先日、BSで放送されていた映画『エリジウム』を観て思いつきました。あの世界では、宇宙世紀と比べると、地球とコロニーの立場が逆転していますね。

 SF作品の多くは、宇宙コロニーが問題なく稼働している世界が描かれますが、現実的には、原発のようにハイリスクな金食い虫になる可能性もあると思います。事故で大勢の人が亡くなって、訴訟だの補償だのと、SFにしては夢のない話も作れそうです。私は作らないけど。


 ではまた!

 

 

 

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