心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

融通の利く立場、利かない立場。

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 赤いリボンがよく似合う、いや似合わないごくまです。

 昨日の運送会社の話の続きみたいなもんですが、今回の話はクロネコさんの営業所での出来事。

 ヤマト運輸の宅急便は、たて・よこ・たかさの合計が160cmまでの、いわゆる160サイズまでの大きさで、かつ重さは25kgまでの荷物しか運べないというルールがあります。

 先日、ギリギリ160サイズに収まらない、170サイズくらいの荷物を、営業所に持ち込みました。宅急便は無理だと思って、最初からヤマト便で送るつもりでした。窓口はそこそこ人が混んでいて、受付をしている人の後ろで待っていると、ベテランの風格を漂わせた平泉成さんみたいなおっちゃんが対応してくれました。

 荷物のサイズをあの色分けメジャーで測ると、宅急便の送り状を書いてくださいと言う。あれ?160サイズはオーバーしてるはずだけど。でもベテランの平泉さんが言うんだからいいのだろうと、カウンター横の机で宅急便の送り状を書きました。

 書き終えた時にはすでに平泉さんの姿はなかったので、カウンターのところにいた藤山直美風の若いパートのお姉ちゃんに伝票を渡すと、荷物はどれですかと聞かれたので、さっき平泉さんにサイズを測ってもらった荷物を指さすと、藤山さんはまたあの色分けメジャーを出してサイズを測り始めました。おっとここで嫌な予感?

 測り終えた藤山さんは、難しい顔をして「こちらは160サイズを超えているので、ヤマト便になるんですけど……」と、嫌な予感的中のお言葉。

 いやいや。いやいやいやいや。さっき平泉さんが宅急便でいいって言ったから送り状書いたのに、またヤマト便の送り状で書き直せと?こっちが渋い顔をしていると、藤山さんは、カウンターの奥にいた山村紅葉風のパートのおばちゃんに確認しました。

 山村さんもヤマト便でないとダメという答え。いやいやマジか。だってさっき平泉さんが宅急便でいいって言ったし。そっちの都合で客に二度手間取らせる気?

 藤山さんは山村さんに「さっき平泉さんがサイズを測ったらしくて……」と、悪いのは平泉さん、みたいなことを言ってます。山村さんも「平泉さんかぁ……」と、またアイツかよといった雰囲気の口調です。

 そこへ平泉さんが戻ってきて、藤山さんや山村さんに「なに困ってんの?」みたいなことを聞きました。すぐに事情を察した平泉さんは、俺がいいって言ったんだからいいんだよと、鶴の一声で決定。結局、宅急便で送ってもらえることになりました。

 さすが平泉さん、ベテランの貫禄だね。

 しかし、こんなことができるのも、ベテランの経験と実績と権限があってこそ。パート従業員の裁量で、本来ヤマト便で受けるべき荷物を宅急便で受けてしまっては、責任が取れません。立場的にヤマト便でと言わざるを得ないのも、わからなくはない。しかし対応したのが平泉さんだとわかっているなら、客に伝票を書き直させる前に、平泉さんに声をかけるべきではなかったのかな。

 ということで、平泉さんありがとう、という話でした。

 ではまた!

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