今日は朝からショッキングな出来事がありました。
最初に言っておくと、猫が車に轢かれる話です。
この先を読みたくない人はここで引き返してください。
通勤途中、それほど広くもない、両側に民家や畑が並ぶ市道を走っていました。楽しくラジオを聴きながら、いつもの走り慣れた道を時速50kmくらいで。
突然、対向車の軽バンの前に、猫が飛び出してきました。軽バンの右の車輪に巻き込まれる瞬間「バン!!」と大きな音がしました。あんな音するんだ。
私の目は、どこからともなく猫が飛び出してきて、軽バンの前輪に吸い込まれていく様子を見ていましたが、リアルタイムでは何が起きたのか理解していませんでした。
自分の目に映った出来事を理解したのは、猫が轢かれた一瞬後のこと。
右のサイドミラーに、轢かれた猫が映っていました。猫はまだ生きていて、体を起こそうと頭をもたげ、身をくねらせているところでした。たぶん、本人(猫)は何が起きたのか全くわからなかったでしょう。
なぜ自分は転がっているの?なぜ足が動かないの?なぜ……
「うわぁぁぁー、うわぁぁぁー」と、車の中で声を出してしまいました。
猫はもう助からないでしょう。軽バンもそこそこスピードを出していたし、まともに前輪に巻き込まれた。あの音。あんな大きな音がするなんて。どれだけの衝撃だったのか。ミラーに映った猫はまだ生きて動いていたけど……。
しばらく胸がどきどきして、あの瞬間の映像が繰り返し脳内で再生される。もう見たくないのに。苦しい。ラジオの話が全然耳に入ってこない。
30年近く、日常的に車を運転していれば、動物の轢死体は何度も見ています。グロいし、可哀そうだし、踏みたくない。ショッキングではあるけど、完全に死体だからまだあきらめがつく。
しかし今日初めて、轢かれる瞬間を見てしまった。即死でなく、まだかろうじて生きていた。でも、そう長くはもたない。そのことに、こんなにショックを受けるとは。そもそも、動物が車に轢かれる瞬間に出くわすなんて思ってもいないから、余計にショック。あり得ないことではないどころか、十分あり得ることではあるけれど、普段からそんな可能性について考えないし。
あの時、対向車が来ていなければ、間違いなく自分があの猫を轢いていた。そういうタイミングでした。あの軽バンの運転手には悪いけど、正直、轢いたのが自分じゃなくて助かったと思います。
もしあれが人だったら。あんなことであっけなく死ぬなんて。でもそれが毎日のようにどこかで起きているんですね。ああ恐ろしい。
例えば戦争だったりすると、もっとひどい死に方をする人が大勢出るでしょう。それを見るほうの人間は一体どれだけの精神的ショックを受けるでしょうか。そりゃPTSDにもなるわ。猫でこのレベルのショックだもの。人が爆弾で死んだり機関銃で撃ち殺されたりするのを見たら、自分は気が狂う自信があります。
あの猫は、あいつはなんであそこで死ななきゃならなかったのかな。とか、いろいろ考えてしまう。でもきっと天国に行ったんでしょう。猫は死んだら全員天国に行くと相場が決まっています。トムだけは例外かもしれないけど。
このことを誰かに話そうかとも思ったけど、結局誰にも話せなかった。あの猫に申し訳ないような気がして。聞かされるほうも気分が悪くなるだろうし。だからここで吐き出しました。
今日はこれにて。