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【映画鑑賞記】エイリアン・コヴェナント【ネタバレあるよ】

 気がついたらこの作品を見てから1ヶ月くらい経ってました。映画の感想はなるべく早く書かないと忘れてしまうので、書かなきゃいけないと思いながらついつい先延ばしに。案の定、細かいところはだいぶ忘れてますけど、そこそこ印象的だったので書いておきます。

 その前に、この映画を観た翌週くらいに、20歳以上年の離れた若い男子と映画の話をしたんですよ。そしたら彼がエイリアンシリーズをいっこも観たことがないというのでびっくりしました。だけど考えてみたらびっくりすることでもないんですよね。なにせ第1作が1979年。え、まじ?そんな昔?ガンダムやってた頃じゃん。そうか自分が見たのはテレビの月曜ロードショーとか水曜ロードショーとかゴールデン洋画劇場とか日曜洋画劇場だから、その時点で公開から何年か経ってたんだよね。たぶん小学生の頃だったら怖くて観られなかっただろうな。

 さてそんなジェネレーションギャップを味わったところで、本題となる映画の感想に入りましょう。今作はエイリアン第1作の前日譚となる話で、植民地となる星を目指して旅する宇宙船コヴェナント号が、謎の信号を受信したことで予定を変更し、信号の発信源である未知の惑星に降り立つところからストーリーが始まります。

 そのプロローグとして、最初のシーンに登場するのはアンドロイド・デイヴィッドと彼を造った博士と思しき人物。エイリアンでアンドロイドといったら曲者のイメージ。今回もこいつが何か企むのかなと思いましたが、まさにその通りの展開でした。なにしろこいつがエイリアンを作り出した張本人。

 未知の惑星に降り立った乗組員を襲うエイリアンは、最初はキノコみたいなやつから飛び出した胞子が人の体内に入って、それが人の組織を使ってエイリアンの幼虫を作り出し、例によってお腹や背中からズギャーンと飛び出してきます。んでそいつが成長すると、白くてぬめっとした人間ぽいエイリアンになる。あれ?自分が知ってる硬そうなやつと違うぞ。と思っていると、デイヴィッドがそれを遺伝子操作か何かで改良(?)して、さらに強力なおなじみのエイリアンを作り出したのだ!っていう展開。

 デイヴィッドに騙された乗組員はまんまと寄生され、完成品のエイリアンを誕生させてしまうという寸法。一方、コヴェナント号で乗組員のサポートをしていたアンドロイド・ウォルターはデイヴィッドと全く同じ容姿だけど新しいバージョンで、こっちは人間の味方。

 物語の終盤、人間を助けようとするウォルターと、人間を使ってエイリアンを増やそうとするデイヴィッドが戦います。そしてデイヴィッドを倒して戻ってきたウォルターは、乗組員と共に母船に帰って本来の計画通りに植民星を目指すわけですが、何しろ見た目が同じなので、これウォルターのフリしたデイヴィッドなんじゃないの?と思ったらこれまた予想通りの展開。わかりやすい!

 最初に造られたデイヴィッドと、改良されたウォルターの何が違うかというと、内蔵された人工知能に創造性を持たせるか否か、というところなんです。どうやら最初に造ったデイヴィッドには創造性があり、それを危険だとして創造を許さない仕様にしたのがウォルターなんですね。それじゃ改良じゃなくて改悪じゃないかと思いますが、ウォルターは電源コードを引っこ抜かれてもバックアップで復活できるところが優れています。そして人間の味方なので安全。

 デイヴィッドは創造性を与えられたがゆえにエイリアンを創り出し、人間を超えた究極の生命体を生み出そうとします。善悪や人類の存続を無視して、とにかくすげぇの創るぞって暴走しちゃったんですね。

 ここらあたり、近年ブームとなっているAIとかシンギュラれり……シンギュラリティといったテーマが盛り込まれていて興味深いです。AIが創造を始めちゃったらどうなるんだろう?ということですね。この映画ではとんでもないダークサイドに行っちゃってますけども。

 この作品は2012年公開の「プロメテウス」の続編なんですが、僕はまだそっちを観てないんですよね。だって公開当時のコマーシャルでもエイリアンのことに全く触れていなかったので、少しは興味があったものの、なんやかんやで見逃していたんです。エイリアンシリーズの前日譚とわかっていたら絶対観に行ったのに。なんでエイリアンのことを隠してたんですかね。プロモーションとしてはおかしいでしょ。エイリアンシリーズだっておおっぴらに言ったほうがお客が入ったと思うんだけど。そうでもない?Wikipedia情報では、製作側でもエイリアンの前日譚だって言ったり、別の話だって言ったり、意見が分かれてたみたいです。でも今回の「コヴェナント」ではっきりとエイリアンシリーズに位置づけられることになりました。いずれレンタルか配信で観てみたいと思っています。

 ちゅーことで、今回はここまで。キャッチコピーどおり”絶望み”しかない作品ですが、エイリアン好きな人は観てみるといいですよ。ではまた!

 

 

プロメテウス (字幕版)
 
エイリアン:コヴェナント アート&メイキング

エイリアン:コヴェナント アート&メイキング