心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

【夢日記】不思議なイベントの夢

いまはおやすみ

「夢 それは夢 夢」

 これは夢の中の話。現実にあるものと、ないものが入り乱れている。以下、そのつもりで読んでいただきたい。

 私は実家に帰っていた。父と短い話をした後、近所にある、氏神様が祭られている祠に向かった。ここは小学生の頃、集団登校の集合場所になっていたところで、敷地内に公民館が建っている。

 敷地の一番北側に、隣の古墳から出土したものを収めるための「宝物殿」として使われている小さな小屋がある。宝物殿と呼ぶにはずいぶん寂れた建物だが、そこに町内の年寄りが集まって、何らかの祭りの準備をしていた。

 慌ただしく動き回る周囲の人をよそ目に、私は宝物殿の裏に住み着いた、黒い小鳥と猫の遊びを眺めていた。1羽と1匹は、鳥と猫の関係ながら、とても仲良しで、楽しそうにじゃれあっていた。私は手に持っていたカフェオレを、器に注いで彼らに与えた。

 ふと宝物殿を見ると、初めは古びた掘立小屋だったのが、小奇麗な倉庫になっていた。倉庫に入ると、年寄りがぎっしり詰まって、酒盛りをしている。私も仲間に入れてもらって、しばらく酒を飲んでいたが、気がつくと、小さな宝物殿が、今度はそこそこの広さを備えたホールのようになっていた。

 このホールの竣工式が行われるという話を聞き、みんなでぞろぞろと外に出ると、そこはだだっ広い敷地になっていて、祠も公民館もなくなっていた。敷地にはステージが設置されていて、その前に並んだパイプ椅子に、町内の人や来賓客が座っていた。

 私は並んだ椅子の後ろに立って、椅子に座れなかった他の人たちと並んで、ステージを見ていた。何かが始まりそうだが、なかなか始まらない。そうこうするうち、右手の人の群れの向こうに、ひときわ背の高い、すらりとした美人のお姉さんが現れた。

 彼女は優雅な動きで人の間を縫って私の横まで歩いてきて、同じようにステージのほうを見ていた。彼女の肩が私の肩に触れて、そのぬくもりを感じ、ドキドキした。この女性は一体……まさかフィアナ?そんなことを考えているうちに、場面が変わった。

 気がつくと私は新築のホールの中にいて、そこでは立食パーティーが開かれていた。そこにいる人たちはみなフォーマルな服装で、ハイソな雰囲気を醸し出していた。ホールの中では、楽団によるライブ演奏が行われていて、美しい調べがホール中に響いていた。ホールは床面積が100平米くらいあり、天井までの高さは20mくらいあったと思う。

 やがて、どこかから合唱の声が聞こえてきた。周りのみなが見上げている方向を見ると、壁面に何段も設えられた、棚のような一枚板の上に、カラフルな衣装を着た大人や子供がずらりと並んでいる。合唱を歌っているのは彼らだった。ほとんど壁に張り付くように直立し、幅の狭い板の上に整然と並んで、見事な合唱を奏でている。どうやってあそこまで上がったのか、などと考えながら、合唱を聴いていた。

 彼らが着ている衣装は、カラフルな全身タイツのようなもので、最初は頭まですっぽりとタイツに覆われていたが、合唱が盛り上がってくると、一斉に覆面を剥いで、みんな顔を出して朗らかに歌っていた。とても美しい合唱だった。

 ふと隣を見ると、外で私の隣にくっついて立っていた綺麗なお姉さんがいた。そこで初めて、私は彼女の顔をまじまじと見た。彼女は私より頭一つ分、背が高かった。見上げる彼女の顔は、本当に美人だったが、知らない人だった。そして彼女の頬に、感動の涙が筋を作っていた。

 私はとても幸せな気持ちで、夢の世界に浸っていた。それから間もなく目が覚めて、カーテンの隙間から朝日が漏れているのが見えた。隣を見ると、嫁さんがいびきをかいて寝ていた。そこで何を思ったかについては割愛する。

 どんな意味があるのかわからないが、やたら鮮明で、何やら示唆的な内容の夢を、ごく稀に見ることがある。示唆的ではあるが、何を示唆しているのかは全くわからない。予知夢という感じでもない。あまり役には立たないが、楽しい夢だからよしとしよう。

 ということで、不思議な夢の話は以上である。