指輪はずして愛し合う
いけない女と呼ばせたくない
冬至も過ぎたというのに、妙に暖かい。
昼間、曇っていたわりには、ヒーターがいらないほどの気温だった。
ホットカーペットは付けてたけどね。
しかし冬は冬。寒いときは寒い。そんなとき、人肌が恋しくなるものだけれど、長らく人肌どころか妻肌にも触れていない。かれこれ半年ほど触れていない気がする。記憶があやふやになるほど間が空いてるってことだ。どうやら深刻なレスであるらしい。
まぁそれはいいとして(よくない)、そんな人肌恋しさを満たすためのアイテムとして、近ごろ世間でもてはやされている抱き枕を購入しようかと思っている。
ただし、ガチの抱き枕となると、少々値が張る。動物の形を模していたり、頭を載せられるようにL字型になっているものもある。そこまで凝っていなくてもよくて、全身で抱きしめられるサイズで、柔らかいものならなんでもいいのだ。
そうすると、ロングクッションというものが選択肢に入ってくる。実はもう持っているのだが、今あるロングクッションは、窓の下から入り込む冷気を防ぐために、窓際に置きっぱなしになっている。これがそこそこ重要な役割を果たしているので、冬場はもっぱら窓際族となっているのだ。
そのロングクッションも、夏場は窓際族としての役割から解放されているのだが、夏に抱き枕はいらない。抱き枕が欲しい冬には窓際族。お互いにすれ違う運命なのである。
秋ごろに、抱き枕が安売りされていたので、これはお買い得かもと思ってよく見ると、ひんやり素材の夏用抱き枕だった。冬場にひんやりされても困る。しかしいくらひんやり素材といえど、ずっと抱いていれば温まってくるだろうと思い、買おうかどうしようか迷っている間に店頭から姿を消し、冬本番になってしまった。
やはりここはロングクッションで人肌恋しさを賄うべきか。いやしかし、冬用の温かいクッションなど、夏場はただ邪魔になるだけだ。たださえ狭い我が家に、これ以上余計なものは増やしたくない。いやそれでもやはり……などと迷っている間に、今度は春が来てしまうではないか。
抱き枕ひとつ買うのに、これだけ迷うというのは、なんとも貧乏くさい話だ。実際のところ貧乏だから仕方ないのだけど。
ああそれにしても。悩ましい問題ではある。
ということで、本日はこれにてお粗末。