心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

真面目な人だってよく言われるが

 職場の上司や同僚、友達や、親にまで言われる。

 嫌ではないけど、嬉しくもない。

 

 自分がどれだけ真面目でないか、自分が一番よく知っているからだ。

 周りの人間は、表面上の言動だけ見て自分のことを真面目だと評するのだろう。

 

 そういうことを言われるたび、真面目って何だろうと思う。

 

 自分の言動について、真面目だねと言われても、自分ではそれが真面目なことだという意識はないし、真面目にしようと常日頃心がけているわけでもない。自分にとって当たり前で普通のことが、人には「真面目」と映ることがあるらしい。

 

 しかし、自分を真面目だと評する人たちを見ると、自分より彼らのほうがよほど真面目ではないかと思う。世間的には不真面目とされる面もあるのだろうけど、その不真面目さのレベルは至って無害なものだと思う。

 

 自分はどうかというと、自分の内面にある不真面目さというか、表に出せない部分の性質というのは、単なる不真面目さと違って、何か根本的なところで世間の常識というか良識から大きく外れているような気がする。

 

 とは言っても、それは表に出せないというよりは、普通に日常生活を送る上では表に出す必要もないので、何らかの犯罪に結びついたり、誰かに害を及ぼすという性質のものではないが、いわゆる常識的な倫理観から見ると、人としてどうなのかという性質のものではあると思う。

 

 そんなことを自分で書いていても、じゃあそれの何が具体的にいけないのかというのはよくわからない。もしかすると誰でもそういう面を持っていて、表に出さないだけなのかもしれない。

 

 ただ、自分のことを真面目と評する人たちの価値観や倫理観から、自分の内面のそれを見たとき「なんてひどい野郎だ」という評価が出てくるのではないかという気はしている。

 

 真面目って一体何だろうと思う。

 結構うすっぺらでつまらない概念なんじゃなかろうか。