心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

公園のカラスに目をつけられる

 去年の春から秋にかけて、買い物のついでに立ち寄ってぼんやりしていた公園がある。

 寒くなってからはすっかり足が遠のいたが、静かで雰囲気のいい公園なので秋ごろはよく通っていた。

 そこにカラスの親子がいる。一組のつがいと一羽の子ガラス。春ごろに巣立ったばかりでまだ羽毛も生えそろっておらず、鳴き声は幼くて親ガラスから餌をもらっていた。

 その子ガラスも秋にはすっかり大きくなり、親と見分けがつきにくいほどに成長していた。

 先日、久しぶりにその公園に行ってみた。しかしあまりに寒いので、公園には入らず車の中でスマホをいじりながら軽い昼食を済ませた。

 その帰りにすぐ近くのコンビニに寄って雑誌を買い、車の中に戻った。ふと、正面の電線にカラスが止まっているのが見えた。数台並んで止まっている車の中で、あきらかにこっちの車の正面にいる。きっとあの公園のカラス親子のうちの誰かだ。

 カラスの頭の良さなら、餌をくれた人間が乗っている車くらいは当然覚えているだろう。久しぶりにやってきたその車の主が、また餌をくれるのではないかと期待しているのかもしれない。

 「久しぶりだな!俺は元気にやってるぜ!またいつでも餌を持ってきてくれよな!」

 とでも思っているのだろうか。いやきっとそうに違いない。

 しかしその日はそのまま家に帰った。

 もうちょっと暖かくなったら、せめて小春日和の日にでもまたあの公園にパンを持って行ってみるか。