心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

散歩してたらヌートリアが転んだ

 近所の田園地帯を散歩した。


 上空は晴れているが、雪雲に包まれた山から強風に乗って細かい雪の粒が飛ばされて舞っている。ふだんはウォーキングや犬の散歩をする人が数人はいるのだが、今日は寒さと風のためか誰ともすれ違わない。

 アスファルトで舗装された農道の脇、田んぼを区切る狭いあぜ道にヌートリアが座っていた。枯れて水のない田んぼと似たような色で、微動だにしないため気づかなかったが、通り過ぎる視界の隅に違和感を覚えて振り返るとそこにいた。

 こちらが立ち止まっても動かなかったが、こんな水気のないところでヌートリアがいるのを見るのは珍しいのでビデオを撮ろうとスマホを取り出した。その怪しい動きを見て、ヌートリアは人から遠ざかろうと動き出したが、立ち上がった瞬間強風にあおられて転んだ。ヌートリアが転ぶところを初めて見た。

 寒さで動きが鈍っていたが、ヌートリアはすぐ起き上がって歩きだし、あぜ道より低い田んぼに降りていって、草むらの傍のくぼみに身を潜めて止まった。こちらからは丸見えで全く隠れていないのだが、これでもう大丈夫とでも言うようにそこから動かなくなった。

 散歩をしていると用水の縁にいるのはよく見かけるが、水のない田んぼの中で見たのは初めてだった。あんなところでいったい何をしていたのかわからないが、面白いシーンが撮れたのでよしとする。

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