※ネタバレはない……はず。
公開初日の初回上映を観に行ったのは、どの作品以来だろう。私にしては珍しい。
正直、何かを期待して観に行ったわけではない。26年間、つかず離れずエヴァと付き合ってきて、やっぱり最後は観ておかないとな、というある種の義務感。ここまで観て来て最後だけ観ないという選択肢はなかった。
月曜の朝だが、スクリーンはほぼ満席。年齢層も様々だ。私のような中年から、大学生くらいのカップル、高校を卒業したばかりであろう若い男子グループもいた。
3時間の長丁場に備えて、まずトイレへ。ポップコーンもコーヒーも買わず、ネットで買ったチケットを端末で発券して、そのまま入場した。入り口で、先着でもらえる特典のチラシがもらえた。裏にネタバレ注意と書いてあったが、家に帰って中を見たら、ネタバレというほどでもなかった。
3時間、過剰なまでの情報量にさらされ、序盤からすでに理解を放棄しつつ観ていた。私のようなライトファンは、だいたいの内容がわかれば十分なのだ。考察も深掘りも必要ない。
終盤に向かう怒涛の展開を観ながら思った。
きっと「俺たちのエヴァンゲリオン」が戻ってきたんだ。
これは「帰ってきたエヴァンゲリオン」なんだな、と。
テレビ版のラストで監督が本当に表現したかったことを、26年(実際には25年か)の歳月を経て、この作品にまとめることができたのではないだろうか。我知らず、目頭が熱くなっていたように思う。
上映が終わり、場内が明るくなると、前方の若いグループから拍手が起こった。正直なところ、私も拍手を送りたい気分だった。ありがとう、おじさんの分も拍手してくれて。私がテレビ版のエヴァを観ていたころ、彼らはまだ生まれていなかったのだな。
これからどんな映画評が出てくるかに興味はない。ただ私は、この映画を観て「エヴァンゲリオン」という作品が腑に落ちた気がする。この作品で、エヴァンゲリオンは生まれた所に戻ってきた。これは循環の物語なのだ。
おかえり、エヴァンゲリオン。
そして、さようなら。