「あんまりそわそわしないで あなたはいつでもキョロキョロ」
「言い得て妙」もうる星やつらで覚えた気がする。当時のオタクがそれを多用していたのを、吉田聡が作品中(「ちょっとヨロシク」だったかな)でいじってた。 #aniaca
— ごくま (@mtchac) 2019年2月2日
先月の話になるが、2月2日のアニソン・アカデミーの実況でツイートした件。ふと思い出したので、少し掘り下げてみたい。
吉田聡の『ちょっとヨロシク!』は、高校生の時に読んでいた。『湘南爆走族』で彼の作品が好きになり、その次に本屋で見つけたのが『ちょっとヨロシク!』だった。
当時はまだ「オタク」という言葉や概念は、それほど世の中に広がっていなくて、そういう世界に触れている人なら知っている、という程度だったと思う。
『ちょっとヨロシク!』の中に、コミケに参加するオタクが登場して、お互いを「お宅」と呼んだり、やたら「言い得て妙」と言ったりする様が描かれていた。しまいにはカタカナで「イイエテミョー」と書き文字で連呼するようなコマがあった気がする。
当時の私は自らをオタクとは認識していなかったが、そういった世界の辺縁にいるという自覚はあった。同級生には、辺縁より中心に近いようなやつもいた。当然『うる星やつら』が大好きで、ラムちゃんが大好きで、同人誌を学校に持ってくるやつもいた。
漫画に登場するオタクが「言い得て妙」を連呼するのを見て、妙に納得したのを覚えている。おそらく、身近なオタクの中にも「言い得て妙」を使うやつがいたのかもしれない。あるいは自分でもよく使っていたのかもしれない。
なぜ「言い得て妙」がオタク言葉として描かれたのか。個人の経験から推測するに、この言葉が『うる星やつら』の中に出ていたからではないだろうか。明確なソースはないが、私の記憶では「言い得て妙」という日本語を初めて見たのは『うる星やつら』の中でだった。
面堂終太郎か、白井コースケあたりが、まぶたを閉じ、顎に手をやって「言い得て妙だな……」などと言っているコマがあった気がする。
たぶん、多くのオタクが、『うる星やつら』の中で「言い得て妙」という言葉を覚えたのではないだろうか。そして、その言葉が『うる星やつら』からの引用であることは、彼らにとって常識の一部だったのではないかと思う。
ただし、これらの考察はあくまで個人のおぼろげな記憶に依るものなので、ソースとしての価値は皆無に等しいと心得よ。
ということで、今日の話は以上。