黄昏時 雲は赤く焼け落ちて
屋根の上に 光る玉ねぎ
アパートの隣の部屋に、ブラジルかどこかのお兄ちゃんが何人か住んでいる。たぶん、近所の会社が借り上げて寮として使っているのだと思う。
時折、夕飯時に嗅いだことのない匂いが換気扇から漂ってくる。何らかのスパイスを使った料理を作っているのだろう。スパイスには詳しくないので、何のスパイスかさっぱりわからない。イタ飯屋とか、カレー屋でも嗅いだことがないような、独特の香りだ。
先日、仕事から帰ると、通路がまた妙な匂いで満たされていた。妙な、というより臭い。はっきり言って臭い。スパイスというより、何か、化学的な匂いだ。一体、どんな料理を作っているのだろうと思いながら、ウチのドアを開けると、その匂いがより強烈になった。
その匂いの元は、隣じゃなくてウチだった。
嫁さんが、カレーを作ろうとして玉ねぎを焦がしたらしい。飴色に炒めると美味しいとかいうアレだ。彼女はもともと料理が得意でなく、そして好きでもない。そのため結婚して10年経ってもあまり上達しないのだが、たまに凝った真似をしたがる。そして失敗する。
私は自分でカレーを作るときでも、玉ねぎを飴色に炒めようと思ったことはなく、他の料理でも玉ねぎを焦がしたことがないので、玉ねぎが焦げた匂いというのを初めて嗅いだのだが、なかなか強烈な匂いだ。
単純に、何かが焦げたという感じではなく、プラスチックとか、ビニールとかそういう、何か燃やしちゃいけない有毒なものを燃やしたような匂いなのだ。窓を開けて換気扇を回しても、なかなかその匂いが抜けなかった。
私は味に無頓着なほうで、よほどのことがなければ美味いとかまずいとかわからないほうなので、嫁さんの料理にもこれまで味に文句をつけたことはない。褒めたこともあまりないが。褒めたらレトルトだった、ということがたまによくあるので、うかつに褒められないのだ。
カレーなど、それこそ凝った真似をしなくても、それなりに美味しく出来るメニューなのだから、普通に作ってくれればよかったのにと思う。たぶん、玉ねぎを飴色に炒めたからといって、私にその味の違いはわからないだろう。
とはいえ、作ってもらっている以上、文句は言えない。料理をしているのは彼女なのだから、好きなようにやってもらうしかないのだ。ただ、玉ねぎを焦がすのだけは勘弁して欲しい。あの匂いはずっと嗅いでいると、マジで吐き気を催すレベルだ。本当に、体に良くない成分が含まれているんじゃないかと思うくらい。
今日はただの愚痴で終わってしまったな。
ということで、本日はこれにてお粗末。
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