僕を異常と言うのなら 何が正解と言いたくなる
きっと和解はできないから 逃げ避け生きてるよ
NHKドラマ10という番組枠で始まった『トクサツガガガ』。数年前から原作漫画が特撮界隈で話題になっていたので気にしてはいたが、読む機会がなかった。それがドラマ化されたということで、録画したものを観てみた。
まず、ナレーションが鈴村健一さんという時点で吹いた。声優界の特撮オタクとして名を馳せる鈴村さんがナレーションを務める。この時点で、制作陣の「本気」が見えた。こいつらガチでやるつもりだ。
そして主役の女優さんが可愛い。嫌味のない美人だ。「隠れ特撮オタク」という属性を表現するのに適した素材と言えよう。もっさりした女子ではいかにもオタクだし、あまりに美人ではリアリティがなくなる。
主人公の同僚を演じるあの子は仮面ライダーアマゾンズでヒロインを演じていた武田玲奈さんだな。ここにも特撮つながりのキャスティングが。
もう一人の同僚はSKE48の人。アイドルはあんまり知らない。
主人公が小学生の男子と公園で話をするシーン。あれ?この公園、大須の公園に似てるなぁ。いや、これやっぱ大須のあの公園だわ!あの富士山とか、でっかい案山子みたいな遊具とか、間違いなく大須の公園だ。なんで?
と思ったら、このドラマ、制作がNHK名古屋だった。そりゃSKEの子が出るわけだ。あとボイメンの子も。主人公の母親役の松下由樹さんも、名古屋育ちという縁でのキャスティングなのかな。
ここ何年かはめったに名古屋へ行くことがないので、他のロケ地はわからないが、大須のあの公園(正式な名前は知らない)は、若い頃、ツクモとかOAシステムプラザとかコムロードとかに行ったついでに、よく立ち寄ったので覚えている。だけどあの近辺も、今ではすっかり変わったんだろうな。
それから気になるのが声優陣。敵のゲンカ将軍は関智一さん。カラオケ怪人は稲田徹さん。さらにエマージェイソンはナレーションも務める鈴村健一さん。みんな特撮の吹き替えで活躍してきた、そしてこれからもちょいちょい活躍するであろうという人が揃っている。
さらにさらに、エマージェイソンとゲンカ将軍の中の人、すなわちスーツアクターは、あの岡元次郎さんが務めている。特撮界で知らぬものはいないと言っても過言ではない、スーツアクターの大御所である。このドラマ、本気で特撮オタクを殺しにかかっている。
主題歌はゴールデンボンバーの『ガガガガガガガ』。ガオガイガーじゃないよ。金爆も『仮面ライダーウィザード』の主題歌を担当したことで、これまた特撮つながり。いや、これもう完全に特撮ドラマなんじゃね?
特撮パートも本格的だし、スイングキーチェーンのミニフィギュア、ガシャポンのラベルの作り込みの細かさ。どれを取っても本気しか見えない。観てるあいだ、ニヤニヤが止まらない。
余談ではあるけど、主人公が電車で偶然みかけた特撮の同志?を演じている倉科カナさん。最初、これ誰だっけ?と思ったけど、よく見ると倉科カナさんだ。なんだかすっかりふ……いや、オバ……いや、年齢感が出てきたなぁと思った。メイクとかで年齢感出してるのかな。きっとそうだよ。
あと気になるのが、木南晴夏さんが演じる役。木南晴夏さんは『20世紀少年』で見て以来、好きで。『勇者ヨシヒコ』シリーズでさらに好きになったよね。今後、あの怪しげなキャラがどう立ち回るのか、それを木南晴夏さんがどう演じてくれるのか、楽しみだ。
ドラマを実際観るまでは、「NHKが特撮ネタ?ほーん、いっぺんどんなんか見てやるべか」という態度だったけど、これ絶対最後まで観ますわ。熱心に観ますわ。
私は特撮オタクじゃなくて、ここ何年か、息子氏に付き合っていくつかの作品を観ただけのニワカ。オタクじゃないのよ、オタクじゃないのよ、子どもに付き合っただけぇ~!みたいな。すいませんおっさんしかわからない下品なネタで。
で、そんな私でもニヤニヤが止まらないのだから、特オタの人はもう楽しくてしかたないんじゃないかな。あるいは逆に、「そこは違うだろ」というところが見えてしまうのかな。まぁ、知り合いに特オタはいないので、そんなことは全く気にせず、自分なりに楽しむけどね。
ということで、オタクじゃないけど子どもに付き合っただけのお父さんお母さんにも、(たぶん)楽しめるドラマだと言えよう。
本日はこれにてお粗末。