心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

暖冬に 二日遅れの 鏡を開き

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なにもなくても こころは錦
ついてゆきます… 夫婦善哉

 年明け、いよいよ寒さも本格化するかと思われたが、すぐに天候が回復して、昼間はポカポカ陽気の小春日和が続く。寒いのは朝だけだ。

 世の中、鏡開きは1月11日と相場が決まっているが、我が家はすっかり出遅れて(すなわち忘れていて)、今日が鏡開きとなった。

 例年、鏡開きはぜんざいを作ることにしている。私が大好きだから。

 この地方では、各家庭にゆであずきの缶詰が常備されている、などとケンミンショーで言われていたが、決してそんなことはない。と言いたいが、我が家にはある。常に1缶は在庫がある。

 その缶詰を使ってぜんざいを作るのだけど、缶詰の中身はつまるところ、ドロッとしたあんこなので、そのままでは甘すぎる。そこで、好みの甘さになるまで薄めるわけだが、そうすると全体量に対する小豆の比率が下がり、ぜんざいではなく、ほぼおしるこになってしまう。ちなみに、「ぜんざい」と「おしるこ」の違いは地方により諸説あるが、我が家では小豆の粒が入ったものを「ぜんざい」、粒がない汁、いわばこしあんを溶いたようなものを「おしるこ」と呼称している。

 さて、あんこも粒あん派の私は、粒の入ったぜんざいでないと満足できない。だから、ほぼおしるこになったぜんざいに餅を入れて鏡開きなどという気にはなれないのだ。餅に小豆の粒が絡んでこそのぜんざいなのである。

 そこで、ぜんざいを作るときは、缶詰のゆであずきと共に、袋入りの小豆を茹でて使う。ざるで洗い、水から焚いてアクを取り、差し水をしながら柔らかくなるまで煮る。そこに缶詰のゆであずきを投入して、味を見ながら三温糖やみりん、塩などを加えるのである。

 味が整ったら、水溶き片栗粉を入れて、全体にとろみをつける。これに鏡餅をレンチンして入れれば、ぜんざいの完成である。

 最近の(といってもすでに何十年も前からあるけど)プラスチック容器に充填された鏡餅は、手軽でカビの心配もないので、年末になるとスーパーか百均で買うのだけど、あれは餅としてはいまいちだ。

 その理由は、食感が滑らかすぎることにある。餅米をついた餅は、米の粒が若干残っていて、口の中にざらつきがある。しかし充填餅は、おそらく米粉を水で練って作られているのではないかと思う。滑らかすぎて、米の粒子が感じられないのだ。あれが米をついて作られているのだとしたら、つき過ぎである。餅は少々米粒の感じが残っているほうが美味い。あくまで個人の感想です。

 そこで、嫁さんの実家から頂いた、杵と臼を使って人力でついた餅を入れてみた。さすがである。餅の生地が均一ではなく、ほどよい米粒感が残っているのだ。餅が違うだけで、ぜんざいそのものの味がグレードアップしたように感じられる。

 ところで、プラスチック容器に充填されたタイプの餅って、いつ頃から売られるようになったんだろう。どこの会社が開発したんだろう。ネットで調べてみたけど、それらしい情報にはたどり着けなかった。

 ともあれ、鍋一杯のぜんざいで、あと3日は戦える。

 ということで、本日はこれにてお粗末。

夫婦善哉

夫婦善哉