わらの人形 釘をさす
自分の胸が 痛くなる
先日、年が明けてから初めて、スーパーへ買い物に行った。
いつもの牛乳、納豆、もずくを買い物かごに入れて、あとは何がいるかなと思いながら商品を物色していると、ふと視界の隅に真っ黒なパーカーが見えた。
明るい店内で真っ黒なパーカーは目立つ。無意識にそちらへ視線を向けると、左胸に赤で一文字だけ「呪」と書いてある。
黒地に赤で「呪」である。思わず二度見してしまった。
それは果たして公衆の面前で着ていいものだろうか。別にいいか。
パーカーを着用していたのは、30前後のひょろりとしたお兄さんだ。心なしか、顔色も優れないように見える。そりゃそうだ。黒地に赤で「呪」だもんな。顔色も悪くなろうというもの。
あんな物騒な服を、店頭に並べて売っている店があるとは思えない。しまむらやあかのれんには決して置いてないだろう。いわんやユニクロにおいておや。
きっとネットショップで買ったに違いない。そう踏んだ私は、帰宅するとさっそくGoogle先生に問い合わせた。
案の定、CUNEというブランドのパーカーだということがわかった。しかもブランド24周年を記念して作られたものだそうだ。記念なのに「呪」とはこれいかに。そこは「祝」だろう。
スーパーで見かけたお兄さんは怖くて一瞬しか見られなかったが、サイトにある画像を見ると、背中にもでかでかと「呪」の文字があるようだ。そして24周年を祝して鶴と亀。なんでそこだけめでたいのか。あとうさぎ。どうやらこのうさぎが、CUNEというブランドを象徴するキャラクターのようだ。知らんけど。
服以外にもいろいろあるようだが、特に興味はないのでそっ閉じる。
ファッションに無頓着な私は、アピタかユニクロでしか服を買わない。とにかく地味で無難な服装を選びがちな私としては、あんな恐ろしいデザインのパーカーなど、到底着ようとは思わない。そして普段着のパーカーごときに1万円も出さない。
ファッションにこだわる人をどうこう言うつもりはないけれど。
ファッションて怖いなぁ、と思った出来事だった。
ということで、本日はこれにてお粗末。