過去の意思は 嘘では欺けない
感じろ そう Nexus Future
観てきました。
公開初日ということもあり、スクリーンはほぼ親子連れでほぼ満席。
仮面ライダージオウの世界を軸に、平成仮面ライダーが総出演するお祭り映画。クウガからジオウまで、歴代20人のライダーが、次から次へと登場する。
その中でも、わりと最近のライダーや、人気が高かったライダーは、登場シーンが長めに確保されている。前作のビルドたちは、脇ライダー(?)も含めて4人のライダーが登場する。あとは主役ライダーのみの登場。
ただし、電王だけは別格で、モモ、ウラ、キン、リュウの全フォームが登場。さらに、なんとななんと、中の人である佐藤健が本人出演。いや本人出演ていうのもおかしいんだけど。野上良太郎なんだから。
ジオウが時間移動するライダーということで、同じく時間移動するライダーである電王が、かなり大きな役割を担って物語に絡んでくる。しかも、ジオウの世界のルール外から干渉してくるというチートプレイ。時間軸が違うとかなんとか適当なこと言って、今回の悪者であるタイムジャッカー・ティードの陰謀を強引に邪魔してくる。
テレビ版の設定では、アナザーライダーが現れると、元のライダーの歴史は改変されて、初めから存在しなかったことになる。ところがどっこい、電王はアナザー電王が暴れているまさにその場所に、本物が登場し、ソウゴたちを助けるのだ。
さて唐突に話を巻き戻すと、映画のストーリーは、いきなりソウゴの記憶が失われた状態で始まる。そこから突発的にいろんな人の記憶が失われたり、蘇ったり、ラジバンダリ。そこへ、アナザーデンライナーと共に現れるアナザー電王。さらに、本来なら一般人に知られるはずのない仮面ライダーの存在を知る、仮面ライダーマニアの18歳の少年アタルが登場する。声だけで姿が見えない相手と会話するあたり、なにやらデジャヴを感じるぞ。
さらにそこへ、アナザーダブルに追われて、幼い少年シンゴが現れる。どこかで見たような服装。あれは佐藤健、いや野上良太郎の赤いマフリャー姿をほうふつとさせないか?
そして彼は特異点であることが後に判明する。やっぱりな。だからティードに狙われてたんだ。彼が過去から攫われたのは、最初の平成ライダー、クウガが始まる前日。そしてその日に弟が生まれるという。最初からわかりやすくヒントが提示される。
そしてそのヒントがわかりやすくつなぎ合わされ、戦兎が「なるほど!そうだったのか!」とわかりやすく納得し、観客の気持ちを後追いで代弁する親切設計。
ただ、時間移動や歴史改変が絡む物語というのは、どうがんばっても複雑な構造になることが避けられない。また、複雑にしなければ時間移動や歴史改変を絡める意味がない。子ども向けにわかりやすくすることと、物語の面白さや見ごたえを天秤にかけると、バランスを取るのはかなり難しいと思う。
しかしそこはそれ、お祭り映画である。岩船山に集結する仮面ライダー平成ジェネレーションズが、あらゆる不整合、あらゆる矛盾を、爆風と共に吹き飛ばすのだ。
あれ?なんかおかしくないか?と心のどこかで思っていても、佐藤健が滔々と語ればすべて丸く収まるのだ。レジェンドライダーたちがコラボレーションキックを放てば吹き飛ぶのだ。岩船山にナパームがさく裂すれば、すべて燃え尽きるのだ。
なぜならこれは、平成仮面ライダー20周年を祝うお祭りなのだから。
祝え!平成仮面ライダー20年の歩みを!ということなのだ。
平成仮面ライダーを愛してきたすべての世代に、鳥肌を立たせてやるぜ!そんな作品になっている。仮面ライダーは卒業したというお兄さんやお姉さん、そのお兄さんやお姉さんが小さいころ、一緒に観ていたというお父さんやお母さんにも、ぜひ観て欲しい。そして、冷めた心に再び熱い炎を燃やして欲しい。
その炎が、仮面ライダーという作品に与えるエネルギーであり、また作品が与えてくれるエネルギーでもある。この映画が言いたいのは、そういうことなんじゃないかな。
ということで、本日はこれにてお粗末。
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