あの日の涙 捨てた時から
走り続けた ひとすじの道
今回もジャッキー・チェンの映画の話が続きますが、私の少年時代、家にビデオデッキが導入されたのは、高校生になってからでした。姉が就職して、給料で買ったものです。たしか三菱のVHSハイファイビデオデッキでした。
しかし、私がジャッキー・チェンの映画にドハマりしていたのは中学生時代。まだ家にはビデオデッキがなく、大好きなカンフー映画がテレビで放送されても、録画して何度も鑑賞することができませんでした。というか、そんな贅沢なことは思いつきもしなかったので、残念な気持ちもありません。
ただ、カンフー映画を観た時の興奮を、何度も味わいたいという気持ちはありました。そこで考えたのが、当時の私が唯一自分で所有していた機器、ポータブルラジカセでテレビの音声を録音する、というものでした。
ラジカセ本体のちっこいマイク穴を、テレビのスピーカーに押し当てて、なるべく雑音が入らないように録音するのです。その状態で、水曜ロードショーか何かで放送していたジャッキー映画「少林寺木人拳」を全編録音しました。CMは停止ボタンを押して手動でカット。
そうして録音した音源を聴きながら、映像は自分の頭の中で再生して、映画を繰り返し何度も楽しむのです。クライマックスの、仇敵であり師匠であるファーツーとの決闘シーンは、そこだけ巻き戻して何回も聴きました。
その録音技術は、ジャッキー映画だけでなく、アニメの主題歌を録音するのにも転用され、当時観ていたアニメの曲は、ほとんどカセットに録音されていました。たまに母の声が入ったり、姉が遊んでいるLSIゲームの音が入ったりしましたが、それも今となっては良い思い出です。
今は何でもアーカイブされて、レンタルDVDや、ネットを介していつでも見られるコンテンツが増えました。今を逃したら二度と観られない!という緊迫感や、不幸にも見逃した時の絶望感といったものは、ずいぶん昔の思い出になりましたが、あれはあれでリアルタイムなライブ感があって良かったな、などと懐古にふけったりします。
実家の押し入れに眠っているかもしれない、昔のカセットテープを、また掘り起こしてみようかと考えている今日この頃です。
ということで、本日もお粗末さまでした。
ジャッキー・チェン?ジャッキー・チェン パーフェクトコレクション
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