涙も汗も 若いファイトで
青空に遠く 叫びたい
ポーン
「赤!」
「ラベリング!」
「その通り!赤の方がアタックチャンスを獲得しました」
いえ本当のことはわかりませんが、ブクマしたブログ記事を読んでそんなことを思いました。 いや「アタック25」の話じゃなくて「レッテル貼り」の話ね。
アスペルガー症候群の彼を、殺そうとした私 | peek a boo - ピークアブー
単なる執着心を、臆面もなく「愛」などと呼ぶ人間は信用できない。そっちの方がよほど重症だ。
2018/08/09 21:19
あまりのことに、うっかり殺しそうになるほど「彼」を憎んでいた女性が、その彼がアスペルガー症候群だと診断された途端、手のひらを返したように“彼の言動の意味がわかった”というのです。さらには“彼とうまくやっていける可能性がある”とまで考えます。
しかし「彼」自身には何の変化もありません。診断を受ける前も後も、変わらず扱いにくい人なのです。変わったのは女性のほう。どうすれば軋轢を減らし、衝突を和らげることができるか、そういう方向に考えるようになります。
彼女は、彼のことを理解したわけではなく、アスペルガー症候群というレッテルを貼っただけです。アスペルガー症候群の定義に沿って、彼のことをわかったつもりになっただけです。彼女は、それまで謎だった彼の言動を、彼女の「知の領域」に収めることで安心したのでしょう。だから精神的に余裕ができて、冷静に観察することができるようになったのだと思われます。
人は基本的に、わけのわからないもの、「未知の領域」を恐れます。彼女はそれまで「未知の領域」だった彼の言動を、アスペルガー症候群という「知の領域」に当てはめることで、その恐れを解消したとも言えるでしょう。
驚くべきことに、彼女は“精神科の看護師として、今まで大勢の精神疾患や発達障がいの患者と関わって”きたといいます。そして“その全ての人に寄り添え、愛せてきたはずだった私が、いざ当事者となると、感情をコントロールすることができなかった”というのです。
おそらく、彼女にとって精神科の患者はハナから「患者」というレッテルを貼っていたから、うまくやってこれたのでしょう。しかし彼は「健常者」だと思っていたから、仕事で患者と接するようにはいかなかった。
正直なところ、「精神科の看護師」といってもそんなもんなのか、と思いました。もちろん、全ての「精神科の看護師」がそうだとは思いませんが。思いたくありませんが。
記事中には「愛」という言葉が頻出します。そして冒頭では予防線のように“愛とは人それぞれ形が違うのです”と書いてあります。それはそうだけど、いやしかし、いくらなんでも「それ」は愛じゃないだろう、と思いました。
愛があるなら、彼がアスペルガー症候群かどうかに関係なく、医師の診断を仰ぐ必要もなく、彼女は彼を理解したでしょう。愛はレッテルを貼ることではないし、「知の領域」にもない。レッテルという色眼鏡を通して人を解釈することと、ありのままに人を理解することとは全く別です。
そもそも精神科というのは人を愛し、癒す場所ではないので、そこでプロとして仕事をしているからといって、人を愛せるとは限りません。もちろん、愛せないとも限りません。いやむしろ「愛」に頼らずに人を治療するところではないのかと思います。心理学ってそういうものでしょう。いちおう科学なんだから。
いろいろ批判めいたことを書いてきましたが、カウンセリングが必要なのは彼じゃなくてむしろ彼女のほうだよね、と思った話でした。
それでは、本日もお粗末様でした。
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