君の孤独を 君の悲しみを
君の怒りを 君の生きづらさを
嫁さんが、ママ友からこんな本を借りてきました。
HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子
- 作者: 明橋大二,太田知子
- 出版社/メーカー: 1万年堂出版
- 発売日: 2018/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
読んでみて、どう思うか感想を求められたのですが、正直、困りました。
私はこういった内容の話は、ちょっと苦手です。苦手というか、好きではありません。意地悪な表現をすれば、ある特徴を持った子どもたちをカテゴライズして、もっともらしいレッテルを貼って、こんなふうに対処すればうまくいく、みたいな話。
息子氏にも、HSCに当てはまる特徴がいくつかあります。嫁さんも、自分がHSCだったかもしれないと言い、私自身も、当てはまるかもしれないと思うことがいくつかありました。つまり、誰にでも当てはまりそうなことを並べて、あなたはHSCではありませんかと言い、その生きづらさや苦しさは短所ではありませんよ、と言う。
自分の性向によって生きづらさを感じていた人は、それを聞いて「ああ、自分が間違っていたわけじゃなかったんだ」と思うかもしれない。大袈裟に言えば、救われた気持ちになるかもしれない。占いや宗教と似たような方向に行く可能性があります。人によっては劇薬にもなる、危険な側面を持っているとも言えます。
この概念を考え出した心理学者が、そうした危険性に気づいていたかどうかはわかりません。心理学の研究対象として専門家が扱うだけなら、おそらく危険性は少ないでしょう。しかし、この概念が一般に敷衍され、素人が訳知り顔で語り始めると、一気に危険性が増します。科学的な検証を経ず、概念が独り歩きし、やがて教祖と信者のような関係が構築される危険性です。
私は、息子氏にHSCというレッテルを貼りたくはありません。他の子どもたちと比べようとは思わないし、第一、他の子どもを育てたことがありませんから、比べようがありません。私は私という人間の全力をもって息子氏と向き合い、彼の成長に関わっていきたいと思っています。どんなアドバイスも、概念も必要ありません。私の中から出てきたのではない、誰かの言葉を、息子氏との関係に挟み込もうとは思いません。
子育てという貴重な体験を、邪魔されたくないのです。私は私自身であり、それ以上でもそれ以下でもない。他人の言葉やアドバイスを介して息子氏と関わることは、本当の関係ではありません。それは親として屈辱的なことだと感じます。私は私として息子氏と関わりたい。それが、私なりの息子氏への愛です。
私が私自身であり、嘘偽りのない私として関わることによって、息子氏にその意味が伝わればいいと思います。
もちろん、HSCのような概念が助けになる人もいるでしょう。しかし、本当に大切なのはその先にあるものです。子どもを愛するのに、概念やレッテルや、まして心理学などは必要ありません。誰かのアドバイスを頼りに子どもと関われば、その自信のなさが子どもにも伝わるでしょう。
親が子どもに伝えるべきは、ただ愛のみであると、今は思います。
ザ・ビートルズ/スタンダード・ベスト?愛こそはすべて、ミッシェル、マジカル・ミステリー・ツアー、イエロー・サブマリン、プリーズ・プリーズ・ミー、ヘルプ! 他20曲T20P7
- アーティスト: ザ・ビートルズ
- 出版社/メーカー: エー・アール・シー
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る