1000%の確率で未来は 自由な時代さ
7割の確率で猫に好かれる男、ごくまです。
息子氏が毎日のようにYouTubeで観ているヒカキンさん。彼が最近、猫を飼い始めたそうです。結婚が遠のいたな。
その、ヒカキンが猫を飼い始めたということが、一部で炎上を招いているという噂を小耳にはさんだので、どういうことかと思って調べてみると、こんな意見を目にしました。
・小中学生に影響力のあるヒカキンが、ペットショップで猫を買ったということに批判が起きている。保護猫などを引き取ったらよかったのに、という意見。
・よりによってスコティッシュフォールドか、という意見。
ひとつめはまぁわからなくもない。でもふたつめは?よりによって……とはどういうこと?そこでさらに調査を進めていくと、こんな記事が出てきました。
なんということでしょう。スコティッシュフォールドという品種の猫が背負った、いや背負わされた宿命の残酷さ。
可愛いから、ただそれだけの理由で、生涯にわたる痛みに耐え続けなければならないという宿命。猫に関心のない人でも、これを人に置き換えたら、スコティッシュフォールドという品種の存在が、どれだけおぞましい人間のエゴの産物なのか、ということがわかるのではないでしょうか。『家畜人ヤプー』を想起させるグロテスクさを感じます。
先天的な遺伝疾患を持った血統が、意図的に維持され、死ぬまで痛みに責めさいなまれ続けるという、悲惨な宿命を背負わされた猫が、ブームに乗って大量に産み落とされる。なんという地獄絵図。
ヒカキン自身は、おそらくこういったことを知らずに、一般の人と同じように、単純に可愛いからという理由で猫を飼い始めたのでしょう。そのことが、スコティッシュフォールドという品種の悲しい性を世に知らしめる結果となったのは、人が自信のエゴによってどれだけ生き物を歪めているか、ということを考えるきっかけになったとすれば、ある意味ではよかったのかもしれません。
人間が作り出した品種には、血が濃いために疾患が起こりやすいものが多いと聞きます。ペット保険のアニコムのサイトにはこんな記事もありました。
ペットショップで売られている犬種のほとんどに、遺伝性疾患を発症する可能性があることがわかります。
その一方、人間社会では、旧優生保護法のもと、遺伝疾患の可能性がある人は強制的に不妊手術や堕胎手術を施されたという過去があり、その苦しみや不幸は現在にも暗い影を投げかけています。
「ディストピア」は、決してSF小説の中の空想ではなく、現実の私たちの生活に重なるように存在しています。差別や偏見は、それだけが単体としてあるのではなく、あらゆる社会問題と繋がっています。その現実をどう捉え、どう向き合うかは、私たちひとりひとりに突き付けられた問題だと思います。
ではまた。
- 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久
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