きも吸いもつけて おしんこもつけて
今の勤め先の社食は、とある業者さんが入って運営しています。
ごはんと汁物がお替わり自由で、そこそこお手頃価格なので、毎日利用しています。
食堂のテーブルには、ソースや醤油といった調味料と、アンケート用紙、そして業者さんで毎月発行しているコラムが置いてあります。
今月号には、うなぎの話が載っていました。
日本人がうなぎを食べるようになったいきさつ、歴史、生態、流通などの情報が短くまとめられていました。ただし、絶滅危惧種に指定されたこととか、不漁が続いているといったことには一切触れられていません。
コラムの最後に、うなぎの旬は冬だということが書かれていて、ビタミン豊富なうなぎを、夏だけでなく一年を通して食べましょう、と締めくくられていました。
ふえぇ。いいのかなこれ。
今の職場に入って、食堂を利用し始めてから数年経ちますが、うなぎが出たことは一度もありません。お手頃価格のランチでは無理もない話です。なのにうなぎ食を勧めてくる意図はどこに?
調べてみたら、その業者さんは食堂運営以外に、寿司関係の外食事業もやっている会社なので、それがうなぎ食を勧めるのに十分な理由だということでしょうか。
私は絶滅危惧種とかいう以前に、高くて手が出ないという理由でうなぎを食べません。たとえスーパーの安売りでも、大して腹が膨れるわけでもないうなぎ一匹に、千円も二千円も出せるほどの余裕がないんです。それだけ出すなら肉を買いますよ肉を。
そこへもってきて、絶滅危惧種に指定されたとなれば、うなぎを買わない理由がまたひとつ増えたくらいなもんです。
ただし、うなぎ自体は好きなので、誰かが奢ってくれるなら喜んで食べますけど。
ネットの情報を見ていると、絶滅危惧種なんだから食べるのやめなさい派と、絶滅しようと俺は食べる派にわかれて、いささか不毛な議論が盛り上がっているようです。
たかがニョロニョロした魚を巡って、人と人とが諍い合う。なんとくだらないことでしょう。「諍い合う」って日本語あります?
もちろん、うなぎは絶滅しないほうがいいでしょう。そしてうなぎの美味しさを味わう幸せも失われないほうがいいでしょう。しかし本当の問題は、そのことを巡って人がいがみ合うことだと思います。
何か問題が起これば、賛成だ反対だと意見が分かれて、人がいがみ合い、争いになる。それは、うなぎが絶滅に瀕していることと無関係ではありません。動物の毛皮もそう、象牙もそう、ゴリラの手もそう。根は同じなんです。人のエゴ。それこそがあらゆる問題の根幹。そしてあらゆる問題の解決を先延ばしにする原因。
平賀源内も、まさかうなぎ屋のてこ入れとして考えたアイデアが、こんな問題に発展するとは思いもよらなかったでしょう。今ごろ草葉の陰で嘆いているかもしれません。
しかし、どうなんでしょうね、うなぎ。本当に絶滅しそうなんでしょうか。数が減っているのは間違いないんですよね。獲り過ぎが原因かどうかはわからないと。だったら漁をやめて数が回復するかどうか見てみたらいいのに。大人の事情でやめられないんでしょうけど。
私は自腹でうなぎを食べるくらいなら、ブロンコビリーでステーキを食べます。
ではまた!
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