心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

柴犬を抱っこして散歩するおばあさん

f:id:go_kuma:20180707215011p:plain

 

雨の散歩道では 濡れたベンチを横目に

晴れた散歩道では 2人の影が 長く伸びるの

 

 昨日の仕事帰りの道でのこと。

 信号待ちをしていると、車の左側、縁石で仕切られた歩道を、カッパを着た柴犬と、傘をさしたおばあさんが散歩していました。

 柴犬はおばあさんに斜め抱っこされて、宙を眺める格好になっています。おばあさんは小柄な人で、柴犬を抱えた姿は、重たい荷物を運んでいるようでした。

 トイプードルやチワワならまだわかります。室内犬ですし、雨でずぶ濡れになったら体を拭くのも面倒です。下手をすれば風邪を引くかもしれない。しかし、おばあさんが運んでいるのは柴犬。トイプーやチワワに比べたらそこそこでかい。おまけにおばあさんは小柄。抱っこして散歩するのは大変でしょう。

 柴犬は丈夫な犬種だし、少々雨に濡れたくらいで体調を崩すことはないでしょう。それに運動しないで雨に濡れるだけの散歩なんて、それこそ体に悪い。甘やかすのもほどほどにしないとね、などと思いながら見ていました。

 すると、おばあさんが「よっこらしょ」といった様子で柴犬を地面に下ろしました。そりゃずっと抱っこしてるのは辛いでしょう。自分で歩かせたらいいのに。

 するとおばあさんは、柴犬のリードを引っ張って歩こうとしました。

 そうそう、柴犬はもともと体を動かすのが好きなんだから、ちゃんと自分で……

 歩かない。

 おばあさんは、少し力を込めてリードを引っ張ります。

 動かない。

 引っ張られた首輪で、顔がふにゅ~と変形していますが、柴犬は足を踏ん張って抵抗し、一向に進みません。

 そこで私は事情を察しました。

 あの子(柴犬)は、おばあさんが散歩から帰ろうと、家に戻るルートを歩き始めたところで、まだ帰りたくない!と駄々をこねているのだと。

 おばあさんは仕方なく、柴犬を抱えて家に戻ろうとしているところだったのです。でもいい加減重いので、自分で歩いてもらおうと地面に下ろしたものの、まだ帰りたくない柴犬の全力抵抗にあっている場面だったのでしょう。

 あるいは逆に、散歩嫌いな柴犬が、家を出てすぐに「もう帰りたい」と踏ん張っているところだったのかも……たまにいますからね、運動嫌いな子も。

 どちらにしろ、信号待ちのちょっとした短い時間に、面白いものが見られて、微笑ましい気分でした。あのおばあさんは、柴犬を家まで抱っこしていったのかなぁ。雨の中、ご苦労様です。

 ではまた!

 

散歩道

散歩道

 

 

夏の散歩道

夏の散歩道