ほうら 君の手は この地球の宝物だ
まだ誰も とどかない 明日へ
今日は、こちらのブログを読んで思い出したことを書きます。
よくよく思い起こしてみると、私は父と腕相撲をしたことがありませんでした。
父から腕相撲をしようと言ってきたことも、私から父に言ったこともありません。父は私にとっては畏怖の対象でした。かといって、しょっちゅう殴られたり怒鳴られたりしていたわけではありません。
むしろ、滅多に怒鳴られたりはしませんでしたし、一度も殴られたことがありません。ただ、こまごまとしたことで注意されたり、頭ごなしに否定されたりすることがあり、父に対してかなり委縮していたことは覚えています。
父は現役の頃、三交代制の仕事をしていて、朝は寝ていたり、夕方に出かけて夜中に帰ってきたりしていました。日曜は町内のソフトボールチームの練習に行って、あまり家にはいませんでした。
幼いころは、よく遊びに連れて行ってもらいましたが、オイルショックの影響で仕事を失い、別の職に就いてからは三交代勤務になり、それ以来あまり遊んでもらえなくなりました。
幼いころ大好きだった父は、いつの間にか近寄りがたい存在になっていました。
そんな父の代わりに、私を含め親類の子どもたちとよく遊んでくれたのは、父の兄である伯父でした。伯父には子どもがいなかったので、休みの日ともなればいろいろな場所やイベント、子どもだけでは行けない、遠い場所での釣りなどに連れて行ってくれました。
伯父は、私が中学生くらいになって、体格がしっかりしてくると、時おり腕相撲をやろうと言ってきました。年の割には若く見え、ひきしまった筋肉質な体を持つ伯父は、腕力にも自信があったようです。私が高校を卒業した時にも腕相撲をしましたが、全く勝てませんでした。
それでも、私が仕事に就いて、そこそこ力仕事をこなすようになると、だんだん筋肉もついてきました。その頃には伯父も50代半ばに差し掛かり、徐々に筋力も衰えてきたようです。家で伯父夫婦と食事をしていた時、久しぶりに腕相撲をしようと誘ってきた伯父を、辛くも破りました。
伯父は財布から1万円を出して、賞金だと言って渡してくれました。私はちょっと申し訳ないような気もしましたが、伯父はずっとこの1万円を渡したかったのだろうなと思い、ありがたく受け取りました。
子どもを持って、筋力の重要性に気づいた私は、40を過ぎてから筋トレを始め、今ならピークの伯父にも勝てるんじゃないかと思っています。
近寄りがたい存在になってからの父も、たまに時間ががある時は、映画やドライブに連れて行ってくれることがありました。今にして思えば、父なりに私との距離を縮めようとしていたのかもしれません。
しかし私にしてみれば、父と二人だけで過ごしていると、常に心のどこかで「何か言われるのではないか」「下手なことをして怒られはしないか」という緊張を抱えて、父の顔色を窺う状態になるので、あまり楽しむ余裕はありませんでした。
気がつけば、私もすっかり小言の多い父親になってしまっています。息子氏には、ちゃんとした大人に成長して欲しいという思いから、ついつい小言が口をついて出てしまいます。たぶん、私の父も似たような心境だったのかなと、今更ながらに思ったりしています。
ただ、たとえうっとおしい親父だと思われても、決して私のように、父親に対して心を閉ざしてしまわないように、怖がられないように、息子氏にとって、言いたいことは言える、信頼できる父親でありたい、ということだけは心がけています。
ではまた!
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