どうも「どんな時も微笑みを絶やさずに歩いて」行けるのか?ごくまです。
引き続き、借金の話です。
今回、銀行からお金を借りるにあたって、ひとつ気がついたことがありました。
それは、私が自分から銀行に頼んでお金を借りたのは初めてだったな、ということです。
初めて借金をしたのは、車のローンでした。それから、セールスのお姉さんにまんまと乗せられて買ってしまった、アールビバンの版画。何か物を買うために借りたお金です。お金そのものが必要だったのではなく、モノを買うためにお金が必要だったので、使う目的がはっきりした借金でした。借金は借金ですが、返せる当てのある、いわば健全な借金です。
次に、銀行の営業の人から勧められて借りたお金。ちょうどその時は私の貧乏人生が開幕した頃で、当時勤めていたブラック企業の給料未払いで、生活が徐々に蝕まれ始めていたときです。本当ならあまり借金はしたくなかったのですが、生活に困っていたので、渡りに船で勧められるままにフリーローンを組んでいました。これは「生活全般に必要」という、目的がぼんやりした、しかもこの先ちゃんと返していけるかどうか不安な状態での借金でした。不健全な借金です。
それでも、勧められて仕方なく借りたという、自分に対する言い訳ができました。自分から借金をしようと思ったのではなく、状況が状況だけに、これは仕方ない借金なのだと。
しかし今回は、状況も状況ですが、自分から銀行に連絡して、お金を貸してくださいと頼んで借金をしました。今の状況ではたぶん借りられないだろうという悲観的な考えもありましたが、もっと根底には、自分の意志と責任において、能動的に借金をすることに、かなりの心理的抵抗がありました。わかりやすく言うと、プライドの問題です。
もう半年以上前から、もっと金利の低いローンでまとめたほうが、ずっと支払いが楽になるということはわかっていたのですが、自分から頭を下げて借金をするということに、私のプライドが最後まで抵抗していたのだと思います。自分から頼みに行って断られたら、という不安もありました。
お金が借りられたことで、当面の不安は解消されたはずなのに、なぜか心のモヤモヤは消えない。もちろん、先のことを考えれば安心できる状態ではないということもありますが、それとは何か違うモヤモヤがあって、これは一体何だろうと考えていました。
それで、そのモヤモヤをあえて言葉にするなら「敗北感」に近い感覚ではないかという気がしました。最後まで抵抗していたプライドを自らへし折って借金をしたことで、挫折を味わっているのだろうと。
思うに、これまでの葛藤は、私と、私の奥底で蠢く深層心理とのせめぎ合いであったのだろうという気がします。状況を見れば、銀行で相談するしか道はなかったけれど、私の中の「お金にまつわるプライド」がそれを許さなかった。それは心の奥にある感情なので、現実の状況がどうであるかに関係なく、ただ自らを守ることだけに必死だった。
今回、ともかくも目の前の危機を回避することができたのは、私の意志が、深層心理とのせめぎ合いの末に、とりあえずは行動する権利を得たからだ、という見方もできます。プライドのほうが勝って、何も行動しなかったら、近々に経済的な破綻を迎えていたでしょう。今の生活や、家族の信頼を失う恐怖のほうが、プライドに勝った、という見方もできます。
ここ数カ月、迫りくる破産の恐怖と葛藤は、私の中の、これまで知らなかった感覚や感情を明らかにしてくれました。とても勉強にはなったけど、正直、もう味わいたくありません。この恐怖が、これまでの私の怠け癖を修正してくれることを期待しましょう。喉元過ぎれば……ということにならないように。
ではまた!
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