何年かに一度くらいの割合で、そういう感覚を味わうことがあります。
つまり「知らないから生きていられる何か」があるという予感です。
それを知ってしまったら、人生における一切の謎が解けて、夢も目標も生きる意味も何もかもいらなくなるような、いきなりゴールに辿り着いてしまうような、計算ドリルの解答をいきなり覗いてしまうような、そんな感覚。
チャゲアスの歌に「推理小説を最後からめくれるようなはずはない」というフレーズがありましたが、最後からめくっていきなり犯人がわかってしまうような、そんな予感。
それを知ってしまったら、そのページをめくってしまったら、本当に全く何もなくなってしまって、意味も価値も希望も絶望もすべて失われて、なーんにもなくなるという予感。つまり精神的な死を迎えてしまう的な?それでも自分はそれに心惹かれていて、同時に不安も抱いている。ただ、その感覚はずーっと遠くにうすぼんやりとあるだけで、自分には決して手が届かないという気もしている。
僕の好きな漫画「外道の書」(イダタツヒコ著)で、外道の書を全部集めた少年が、望み通り究極の真理を手に入れ、しかしその真理に耐えきれずに自殺するというラスト。ああいう真理に近いのかもしれない。知らんけど。
この感覚に初めて出会ったのは、友人に勧められて読んだ「神との対話」という本からでした。勧められた時は「ちょwwwタイトルwwwやべぇwww」という感じで読み始めましたが、意外と面白くて第一シリーズの文庫を最後まで読んでしまいました。その中のどこのどんな文面からその感覚を味わったのかまでは覚えていませんが、読んでいて「あ、これやべぇ、これわかっちゃったら人生終わる。ゲームオーバーやん」と思ったのを覚えています。
それから何年かおきに、同じような感覚が何かのきっかけで甦るようになりました。きっかけはいろいろで、全く統一性がありません。本だったり、車から眺める景色だったり、ただぼんやりしているときだったり。
何かの錯覚なのか、精神的に病んでいるのか、実際のところはわかりません。どっちにしろ、それはぼんやりとした予感でしかなくて「知ったら終わる何か」そのものではないし、おまけにほんの一瞬で終わるので、おそらく人生には何の影響もありません。
でもやっぱり、ちょっと覗いてみたいと思うことがあります。
疲れてるのかな。
ではまた!
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