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【読書感想文】ニューロマンサー【古典SFを読む】

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 小説でもマンガでも、アニメでも映画でも、SF系のものが好きです。ゴリゴリのSFに限らず「SF系のもの」という緩い括りで作品をチェックしています。なので、それ以外のジャンルで話題になる作品にはだいたい乗り遅れます。いつもは乗り遅れても気にしないのですが、あまりにも騒がれていると気になって後でチェックすることもあります。最近では「けものフレンズ」がその例ですが、あれはまさかのSF系でした。たつき監督の降板騒動で、今後どういう決着を見せるのかわかりませんが、2期の制作を期待しています。「けもフレ」についてはまた後日何か書くかも。書かないかも。

 さてそんな僕が久々にハヤカワ文庫SFに手を出しました。本屋に行くと、買うつもりがなくても一応文庫SFの書棚には目を通していますが、今回は「ブレードランナー2049」の公開をきっかけに、そっち系の古典SFをあまり読んでいないことに思い当たり、極めてライトなSFファンながら、教養として読んでおいて損はなかろうと考えた次第です。よく覚えていませんが、おそらく映画の紹介記事に「ブレードランナー」に影響を与えた作品として「ニューロマンサー」が挙げられていたのを読んだんでしょう。

 海外の小説で難しいのは、翻訳が絡むところですね。特にSFは専門用語が多用されたりするので、文章がややこしくなりがち。ニューロマンサーもいきなりそこでつまづきました。《スプロール》とか《スクリーミング・フィスト》といった、その世界にしかない固有の名詞、《皮膚電極(ダーマトロード)》、《疑験(シムステイム)》などの聞きなれないガジェット、さらにはそれがどんなものか全く想像できない《ラドー・アスチン機構》。ネットで調べても、ニューロマンサーに登場する何か、ということしかわかりません。

 前後の文章から、だいたいこういう感じのものだろうというぼんやりした捉え方ならできますが、明確なイメージが湧かないので、文章で表されるシーンを映像として脳内ですんなり再生できません。それで最初のうちは読み進めるのにかなり時間がかかりました。攻殻機動隊マトリックスを観ていたからギリギリ想像できたものの、ある程度SFを読みこなす素地がないと、何を言ってるのかほとんどわからないかもしれません。

 他にも「〇〇のような」とか「〇〇調の家具」などと書かれていても、その〇〇を知らないので絵が浮かばないというシーンもいくつかありました。しかしそういう表現を読み解くのは途中であきらめて、とにかくストーリーを追うことに専念しました。ストーリーの流れや展開を理解するのに必要なもの以外を無視すると、だんだんスムーズに読めるようになりました。

 そう思うと、この作品が発表された1984年、日本語訳が出た1986年当時、これを読んでイメージをすんなり構築できた人がいたことに驚きます。もちろん、当時のガジェット、当時の技術水準を基にイメージを作っていたはずなので、現在の僕が作るイメージとはかなり違ったものだったでしょう。’84年といえば僕が初めて本物のパソコンというものを目にした年です。いとこが買ったNECのPC-8801Mk-IIで、カセットからプログラムを読み込んで、チュンソフト設立前の中村光一さんが作った「ドアドア」で遊んでいました。

 そんな時代に、ネットワークだの電脳空間だの、ウイルス・プログラムだの侵入対抗電子機器(攻殻機動隊で言うところの『攻性防壁』でしょうか)だの言われても、きっとチンプンカンプンだったでしょう。そういう概念が今から30年以上も前にすでに存在していたことに驚きです。あらためて「SFってすげぇな」と思いました。

 「SFってすげぇな」と思える作品に出会うため、これからもちょくちょく古典SFにチャレンジしていきたいと思います。ではまた!

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

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