心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

ホーボーケン!

 アメリカはニュージャージー州ホーボーケン駅で列車が駅に突っ込んで死傷者多数というニュースを今朝の朝刊で見ました。

www.huffingtonpost.jp

 これ、笑っちゃいけないニュースなんだけど、つい笑ってしまいました。いえ、ニュース自体にはなにひとつ笑うところはないんです。本当に、この事故で人が亡くなったのは残念なことだし、早く原因を究明して再発防止策を講じるべきだと思います。でも、不謹慎は百も承知で笑ってしまいました。ペンギンズファンの方にはわかると思います。

www.nickjapan.com

 NHKなどで放送されて、私を含め多くのファンを持つニコロデオン製作のアニメ「ペンギンズfromマダガスカル」に、このホーボーケンという地名がたびたび登場します。ペンギンズの中では、非常に治安が悪く、まるで暴動が起きているような状態が日常の風景であるという設定です。そこにある動物園に集まる動物たちも、ペンギンズに仇なす悪者ばかり。街の中にごみの山が出てくる話もあります。

 ホーボーケンがなぜそのような描かれ方をしているのか……今回のニュースをきっかけに調べてみたところ、ヤホー知恵袋で詳しく解説されていたので紹介します。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 アメリカの歴史の中でいろいろあって、決して行きたくないひどい場所の代名詞のように言われているわけですね。僕も初めて見た時は、まさか実在の地名とは思いませんでした。だって実在する街をあからさまにディスるような描写は、日本じゃ許されないでしょう。市長がBPOに抗議する案件ですよ。

 ペンギンズのあるエピソードで、ニュース番組のリポーターがホーボーケンから中継するシーンがあります。街の通りにはあちこちに火の手が上がり、人々が叫びながら走り回っています。横から近づいてきた街の住人に、リポーターがごついスパナを振りかざして「あっちへ行きなさい!」みたいなことを言います。スタジオのキャスターは「ひどい暴動が起きていますね」と言いますが、リポーターは「これがホーボーケンの日常ですよ」と答えます。

 これを日本の群馬とかでやったらどうでしょう。まず間違いなく苦情が入りますよね。ただでさえ人口流出に悩んでいるのに、こんな風に描かれて誤解が広まったら、人が来なくなるどころかますます減るじゃねえか!という具合に。アメリカでは何も言われないんでしょうか。ホーボーケンの市長は平気なんでしょうか。ジョークが通用するお国柄ってことですかね。あ、だけど日本でも「翔んで埼玉」っていう魔夜峰央の埼玉ディスり漫画が話題になったっけ。読んだことないけど。

 ところで、アメリカで「ホーボーケン」なんて耳慣れない響きだと思いますが、たぶんネイティブアメリカンの言葉からきていると想像します。アイヌの言葉からきている北海道の地名と似たようなもんでしょう。

 現在は都会に近いわりには静かで暮らしやすい街ということなので、地獄の一丁目というイメージも今は昔。日本でいうと、サンマは目黒に限る、みたいなことですね。違うか。

 ホーボーケンと並んでペンギンズの中でよく出てくるのがデンマーク。ペンギンズの隊長が、かつて宿敵のツノメドリが起こした「コペンハーゲン事件」によってデンマーク国民を敵に回したとかいうもっともらしい設定で、決して行きたがらない国ですが、今度何かのニュースでデンマークあるいはコペンハーゲンを見かけたら、その内容に関わらずきっとまたペンギンズのことを思い出してちょっと笑ってしまうことでしょう。そしてまたこのブログでデンマークあるいはコペンハーゲンについて書くかもしれません。書かないかもしれません。

 とにかくペンギンズは面白いので、ドタバタコメディが好きな人は一見の価値ありです。今回のホーボーケンのようにアメリカの歴史について勉強になったりもします。有名な映画のパロディや、とんちの利いたジョークも満載。ぜひ一度お試しあれ。