心は空気で出来ている

空気を読むな、呼吸しろ。

末詣で

 年末です。師匠も走る師走です。

 年が明けたら大勢の人々が神社に押し寄せ、初詣という年に一度の(文字通り)神イベントに出向くわけですが、みなさん何しに神社に行きますか?

 お賽銭を放り投げて神様にお祈りしますか?

 どんなことをお祈りしますか?

 無病息災?商売繁盛?それとも良縁に恵まれますように?

 

 僕はそんなみなさんに申し上げたい。

 一年の初めにお祈りして、それで終わりにして良いのだろうかと。

 一年が終わるこの時期、年初にお祈りしたことがもし叶っているのなら、報告がてら感謝の気持ちを込めて神社へお参りに行くのはどうかと。

 たとえ叶っていなくても、とりあえずこの一年間を生きてこられたことに感謝の気持ちを捧げるため、10円玉の一つでも奉納に行ってみてはどうかと。

  僕は何年か前からそんな考えを抱くようになり、初詣の前に末詣(まつもうで)というのをやっています。

 

 すいませんウソです。ついさっき思いつきました。

 思いついただけで、まだ実行に移していません。

 

 僕は神社の回し者ではありませんし、神社に祭られている神様とか神道を信じているわけでもありません。

 ただ、神社という空間はわりと好きです。

 昔から守られてきた鎮守の森や、そこに集まる人馴れした鳩や烏や雀。放し飼いにされている鶏。たまに現れる猫。池の鯉や亀。砂利を踏む音。なんとなく落ち着いた気分になり、心が静まります。

 

 それが初詣の時期になると様相は一変。境内には露店が並び、様々な食べ物の焼かれる匂いと煙が立ちこめ、騒がしい人々で充満します。静かな信仰の場は一夜にしてお祭り騒ぎのカーニバル。

 しかしそれもまた一興というもの。たまには良いではありませんか。日常に倦み疲れた人々が、普段は訪れることのない神社でひとときのハレを楽しむ。きっと本殿に祀られた神様も喜んでいることでしょう。知らんけど。

 

 そういうことで、ちょっとした思いつきですが、明日の大晦日は末詣を実行してみようかと思います。たぶん、初詣に備えて宮司さんや巫女さんや、テキヤさんたちがバタバタしてるんじゃないかな。そういう神社の姿を見てみるのも、ちょっと面白いかもしれません。